私は私で私でしかなく
私が見ることができる世界は
すべて私の目を通して映ったものに過ぎない
私とあなたで見えている景色が同じだと思う方が奇跡だと思うの。
「そうはおもわない?」
あなたの青は私の青とは違うかも
「そう思った方が楽しくないかしら?」
彼女は笑って半径10cmほどに響き渡る声量で微笑んだ。
僕はただ、「たしかにそうかも知れない」と思った。
ただ思っただけで、
同意したわけでもなければ納得したわけでもない。
ただそんな彼女に対して
少な必ず興味を持ったのは確かなことの一つだった。