月明かりに照らされていても、
それが月のものだとはわからないぐらい明るさ。
夕暮れ時にはあと少しある。
「よし、余裕で間に合うな」
約束の時間よりも20分はやくつき、緊張しているなと自分を分析する。緊張している自分が可笑しい。
改めて考えると本当に来てよかったのかとここまできてまだ悩んでいた。
悩んでところで答えはでない、否、もう出ているのかもしれないが、悩み続けることが一種の贖罪となり偽造で固められた良心をなんとか守る続けているのかもしれない。
やらないより後悔よりやっての後悔
は
いわゆる”青春”の分野では大いなるときめきを与えてくれる爽やかな格言だが、適用する場面においては悪事を推進する言葉の武器にすらなり得る。爽やかハンバーグなどの両極端なものがひっつくことでキャッチーになるという手法だ。
『浮気 × やらないより後悔よりやっての後悔』
"爽やかさ"は等に消え、ほのかに"青春" の残香が漂う響き。
一度だけでいいからという甘い考えにうつつを抜かし、
その時を心待ちにしている自分がいる。
自己のエゴに掌握された脳内から繰り出される言葉は、
相手の脳内をかすめるどころか、心のエンゲージメントを確実に削っている。ゆらゆら揺れる岩場を飛び乗りながらまだ落ちていない。
相手を落としに来たのに、
落ちていくのは自分の自信とイメージだけ。
喋れば喋るほど窮屈になる。
だがもうやめらない。とめらない。
できる男は引き際の見極めがスマートと言うが、
目の前に憧れの女性がいるのに引けるわけない逃げたくない。
そうスマートじゃなくたって、泥水すすってボロボロになりながらでも希望を胸に懐き、諦めない。諦めないやつが勝つ。
勝つまで戦う。
そして、僕は究極の答えにたどり着いた。
いつだってそう。君だってそう。たぶん。
灯台下暗し。
”素直な気持ちをきちんと伝える”
それでいいんです。それがいいんです。
変にカッコつける必要もない。
ありのままの自分で挑む。
さぁ応えよ。そなたの望みはなんぞや
「〇〇さん。僕は今日あなたと浮気がしたい」
「え?」
「手を繋ぐだけでもいい。僕は気持ちが浮ついてます!!」
「まずは仕事を見つけたらどう」
「はい。でも今日はあなた〜」
「もう帰ろうかな」
気づけば今日は満月だった。
なんか男の本能を呼び覚ます効能とかあるのかな〜
と
どうでもいいことを考えながら夜道をプラプラ歩く。
楽しそうにはしゃいで飲んでいる声や、ディープな世界に溶け込んでいる二人組。
あーなんか青春だな。
その時の自分の素直な気持ちをまっすぐ相手に伝える。
それがどんなに難しくて、心地の良いことなのか。
これでいい。これがいい。
いい人だったな。
浮気をしてしない自分のままにしてくれた。
そう考えると相手にも自分にも感謝できる。
そして、
この曖昧な淡い一日の中に濃いエキスを一滴
混ざりそうで混ざらないお互いにお互いの表面を流動しているこの感じがいい。
あーなんか青春しているな。嬉しくなる。
いろんな過去の経験が今の自分を作っている。
今日の経験から一体自分は何を学べるのか。