いたずら好きの人間に悪魔が憑いた
それは天使が恐れていたことだった。
我武者羅に神に仕えていたのは
心の底に渦巻く感情を誤魔化すため
すでに『魔』が化かしているのは薄々気づいている
抑えるのに必死だった。
それももう耐える必要はない
人間は悪魔についた
私の役目も終わった。
私は失敗したのだ。
それを誤魔化すよりも素直に認めるのが
せめてもの抵抗に思えた
私はもう駄目かもしれない。
どうせ落ちるなら堕天でいたい。
落ちても神の誉であり続けたい。
エゴがすでに自分を支配している
私は私の欲を持ちはじめている。
その証拠に一人称が『私』になっている。
ここまでか。ここまだ。
ならば自ら落ちよう。
未練はない。私はよくやっていたほうだと言えるだろう。
防衛本能が働いている。
少しでも自分を正当化しようとしている。
なんというエゴだ。
最後の最後まで、こんなときでも防衛したくなるのが私の本能だなんて。
久しぶりに素直に笑えた気がした。