僕らは知っている。
実はすべてを知っている。
遠い遠い場所からそれはやってくる、と思っている。
明後日の方向からサプライズのように現れる、と思っている。
1つの言葉が形を作り、喉を震わせ、波形となり、飛んでいく。
一つ言葉が生まれ、
反応してまた言葉が生まれる。
あそこでも
あそこでも
あそこでも
今この時も言葉は生まれては死んでを繰り返している。
言葉の生涯は一瞬。
それでも心にずっと残る言葉もいる
時には心をえぐるスコップになり
時には心をあたためるぬくもりになり
変幻自在、自由自在
言葉は知っている。
すべてを知っている。
嘘をついていることも知っている
泣きたいのを我慢しているのも知っている
言葉はあなた自身を癒したいと思っている。
だってその言葉を生んだのはあなたなんだから
生みの親の力になりたい
殊の外、言葉の他、蚊帳の外。
あなたのもとに飛び込みたい
真実から逃げないで
苦しくてもめげないで
壊れそうでも崩れないで
僕はいつだってあなたの力になりたい
僕をエネルギーに変えてあなたを癒やさせて
ぼくはぼくは
ぼくは、ただの言葉
まるで魔法さ
どうかこの力を誰かを癒やすために使っておくれ
どうかこの力をあなたを癒やすために使っておくれ
大丈夫、大丈夫、だって君には僕がついているから。