シコリ | MK from ASOVOYAGE

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その時その瞬間に感じたことをありのままにそのままに。素直に表現。
遊び場 Viva 楽しむ Vida 
"いざ参ろう あそVibaへ"

活発なあそ坊の日記

いつもここにあり

ずっとあったからあったことすらきづかないことも

意識しないでも必ずそこにある

あることが当たり前

だから「ある」というようには普段は認識しない

 

目が見える

口をひらく

手がある

息をする

 

これらの動作をするときにわざわざ、

私は見える

私は口がある

私は自分の手を持っている

私は空気を吸っている

 

などと意識しながら行動している人は少ないだろう

 

ここでは敢えて『少ない』と表現しておく

何事にも例外はつきものだ

この世に絶対は一つしか存在しない

絶対に絶対などないというときの絶対だ

 

世の中は摩訶不思議で溢れている

だから面白い

知らなくていいものもある。と思う。

それでわくわく出来るのなら

 

知らないことがいっぱい

それはまだまだ楽しみがあるということだ。と前向きに思いたい

 

こんな幸せあるだろうか

いや、ないな。最高だよ。君もそう思うよね。エンジェル。

 

エンジェルは、ゆっくりと顔をこちらに向けて、まるで小鳥が申し訳なさそうに歌い始めるかのように呟いた。

「貴方様の仰る通りに」

エンジェルの意見を求めたつもりが、私の思う通りにと返されて、それは問いの答えになっているのかと気になったが、嫌な気分はしなかったので、微笑み返す。

「ところで、エンジェル。君に尋ねたいことがあるのだが」

「なんでございましょうか」

「では、私は最近・・」

「わたくしで答えられ・・」

同時に話し始め、会話が途切れる。

目を開き、あわてた表情で(その姿だけで申し訳なく思っていることが充分に伝わるのだが)エンジェルはいう。

「申し訳ございません。わたくしめがご主人様のお言葉を遮ってしまいまして。どんな罪でも受ける覚悟はできています。私をご主人様の思うがままに使ってください。どんないいつけも喜んでお受けします」

今にも泣きださんとばかりの充血した目で私を見つめてくる

 

待っているのだ。私はふとそう感じる。

エンジェルは待っている。確かにそう感じる。

ん、待っている!?

いったい何を待っているというのだ。

急に頭が沸騰したかのように、頭部の血が騒ぎ始める。頭が痛い。

また、この感覚だ。考えを邪魔する。しこりがあるんだ。深く考えようとするといそのシコリで思考の流れをせき止められる。

待っている。仰せのままに。目の前に跪く女。なぜそんなところにいる。なぜ下から私を見る。

なぜソファに座っている私の横に座らない。遠慮している。待っている!?

 

なんだ

なんだ

なんだ

 

誰だこいつは

 

うめき

どよめき

うちひしがれ

うなだれ

くずれ

 

考え

迷う

 

迷路

転倒

記憶

錯乱

飛躍

混乱

絶対

壁画

女体

自我

時間

時計

秒針

音符

仕草

濁流

 

 

「ご主人様」

 

 

ざわめき

 

 

「ご主人様」

 

 

いつもこう

いつもこうだ。肝心なことがわからない

つかめそうで、つかめない。

突き進めば進むほど自分が壊れていく感覚

 

 

「ご主人様」

 

 

 

このしこりがいつも止めるんだ

こいつがすべての害だ

『知らない方がいいこともある』

そんなの嘘だ。すべてを知りたい

『エゴで支配された脳』

だから何だ。エゴであろうと知ることは誰にも与えられる権利だろう

『知ってどうなる』

そんなのしらない。しらなければ自分を見失う。真実がしりたい

『残酷な結果が待っていたとしても』

ああ、待っていたとしてもだ

 

「ご主人様」

誰だ。黙れ

 

『シコリを作ったのは誰だ』

何を言っている。

『私の名前を呼んで』

何を言っている。

「ご主人様」

誰だ私を呼び掛けるのは。頭が痛い。われそうだ。気を失いそうだ。意識が今すぐにでも途切れてしまいそう。まだだめだ。まだ

 

『世界を創造したのはだれ』

「ご主人様」

『お花畑と木でつくったブランコ』

「ご主人様」

『微笑みの中に潜む妬み』

「ご主人様」

『ひまわりのプレゼント』

「ご主人様」

『ポストに入っていた匿名の手紙』

「ご主人様」

『青い封筒と泣き崩れる親しき人』

「ご主人様」

『小さな子供がふたり』

「ご主人様」

『淡い嘘と娼婦』

「ご主人様」

『横たわる女体と滴る赤い液』

「ご主人様」

『頭上で周る青い球体』

「ご主人様」

『切り落とされた大木』

「ご主人様」

 

頭が炸裂したかのような鋭い痛みが走る。たくさんの情報にしこりが無理やりはがし取られたみたいだ。今までせき止められていたものが勢いよく流れ始める。受け止めるには狭すぎる血管。膨張し破裂する。意識が遠のく。ほんの一瞬だがシコリがとれクリアになった頭で物事を整理する。わかりかけたと本能が感じるが早かったか、意識が途切れるのが早かったか、私は真っ黒な空間を垣間見て、痛みのない眠りへと落ちた。

 

目の前で倒れている男を見ている。

自分の目を通して見ているのだが、視点は部屋全体をうつしているかのようだ。

自分の姿も見える。いや、性格には見えていると錯覚していると言うべきか。

 

「ああ、また逝ってしまわれたのですね」

それが自分自身の声だと認識するのに数秒時間がかかった。

不思議と悲しくはない。起きるべくして起きた事象なのだ。驚くこともない。

ただ虚しさが心の片隅に申し訳なさそうに顔を出す。

その虚しさに意識を少し向けると、まるで許しをもらえたかのように出てきて私に話しかける

『どこにでも存在するのです』

「調子に乗らないでください。誰が私に話しかけていいと許可をしましたか」

心の中に強い怒りを感じる。久々の感情だ。

虚しさはすぐに姿を消す。

「少し疲れましたわ。」

目の前で倒れている男を見つめて、かぶさるように倒れ込む。

「一緒に眠りましょう。ずっとずっと私はご主人様のお傍にいますわ」

意識のない男の目から涙が垂れる。

 

 

「ごめんね。ごめんね。ごめんね。」

そう呟き続ける彼女の声だけが記憶に残っている。

どこで、だれが、いつかなどは何も思いだせない。

ただ女性が謝っている事だけが強く覚えている。

それが何を意味するのか、自分自身の体験かどうかもわからない。

 

『契約をした女。何度も巡り合える。強い愛が生み出した奇跡さ。ただ何事にも特別なことには副作用が付きもの。だが彼らは愛の力を信じていた。純粋な愛があれば何でも乗り越えられると思っていたのさ。勘違いしないでくださいね。私はちゃんと副作用について説明もしましたし、お勧めもしませんでしたよ。ただ愛っていうのは信じたくなりますよね。例え虚しさが待っていようとも私たちなら大丈夫と愛し合う者同士なら思う見たい。

彼女は何度も巡り合うために、代償として感情表現能力が低下した。失ったわけではないですよ。彼は代償として考える能力が低下した。いや、脳にシコリのような靄のようなものがある感じかな。よって記憶も曖昧。ただ失ったわけではないですよ。副作用ってのは大きなものが得られればそれだけ大きくなるもんさ。どうしようもできない。わたしにはただ虚しさを感じるだけ』

 

この世界で出会った

この世界で強く愛せ

この世界はこの世界で終わらせろ

この世界だけを見つめて

この世界だけを考えて

この世界だけで生きろ

 

今を生きるんだ

無駄に期待することなく

無駄に悲嘆することなく

 

今を精いっぱい生きろ

今を生きているんだから

 

『【虚しさ】はいつもあなたの味方ですよ。』