赤い目をした少女 | MK from ASOVOYAGE

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その時その瞬間に感じたことをありのままにそのままに。素直に表現。
遊び場 Viva 楽しむ Vida 
"いざ参ろう あそVibaへ"

活発なあそ坊の日記



ね、君、本当に夢を見ているのかい?
私は、さて、僕だったかな、
それとも君だったかな。
どこかで、自分を拾った気がしたけれど、
本当はなにも拾っていない。
だから、たぶん、きっと、自分でもないし、
誰でもないということになるのかな。

講談社文庫より抜粋


人間には限界がある
人間の思考にも限界がある
宇宙ですらも限界が存在する

限界を死と定義してもこの場合はいいかもしれない。

死については誰もが知っているように錯覚するが、誰も真実についてはわからない。
死について理解できるのは死んだときだ。
生きているものは決して学ぶことができない領域。だからこそ好奇心がそそられる。
絶対に理解できないからこそ、その神秘的な領域に近づこうとする。
高い建物を創る。地球からでる。
人は肉体のしばりから離れ、精神世界だけで生きることを睡眠によって望む。

自分に思考を肉体を媒体として表現しなければいけないのは煩わしい。
精神感でのコミュニケーションが可能になれば無駄な時間、労力を使わずすむ。

それが実現可能なのが、死の世界なのではないか?
個の肉体としての縛りから解放される。

当たり前のように生まれ
当たり前のように生き
当たり前のように同じような人生を過す
当たり前のように死んでいく

不思議だ。なぜ普通の顔で生きていられる
不思議だ。なぜ疑わない
不思議だ。不思議だと思っているのになぜ順応する
不思議だ。すべてが人にプログラムされているとしか思えない

かく言う私も
他人との共同体から離れることはせず
素直に従うことを望んでいる

所詮、その程度なのだ。

抗いたいけど、できない。
なぜ、苦しいから?寂しいから?不安だから?

不安
不安
不安

違う違う。行き過ぎだ。
すべてを理解しようとすることがそもそも間違っている。
もっと簡単な事例から。
人はなぜ眠る
人はなぜ夢をみる
あの子の目はなぜ赤い

こわいこわい
お父さん、お母さん、あの人は誰?
なぜ私を追いかけるの?なぜあんな怖い顔をしているの?

私は走る。とにかく逃げる。
ふと不思議に思う。足の感覚がない。気づくと音も聞こえていない。視界も曖昧だ。
ただ怖い、辛い、苦しいという感じが私を襲う。
どんなにはやく走ろうとしても体が言うことを聞かない
体が重い。と感じる。実際は感覚がない。
助けて助けて
今は屋根の上を飛び越えながら走っている。さっきまで草原を走っていた。はず。
わからない。記憶が曖昧。

もういい。私はもういい。
体が言うことが聞かない。ああ眠い。このまま眠ってしまいたい。
我慢が出来ない。その場に倒れ込む。気づくと私はふかふかのベットに横になっている。
さっきと変ってとても穏やかな気持ちだ。眠さに勝てない。勝つ必要もない。なんて気持ちいのかしら。すべてが今眠ることに賛成している。温度、なびく風、すべてが心地よい。ああなんて気持ちがいいのかしら。もう目を開けることすらできない。これで終わりでも構わないわ。何をそんなに焦っていたのかしら。おやすみなさい。


意識が宿る。ゆっくり。ゆっくりと。
深い眠りから覚めたようだ。頭がぼうっとしている。
目は開いているつもりだが何も見えない。
私はずっと夢を見ていたのね。不思議な夢だった。
そこには人間と呼ばれる生物が生息しており、思考能力を持ち、文明を築き上げていた。
同じような顔をしているのに、人間は互いに殺し合っている。互いに殺し合うだけならまだしも尊い自然がその犠牲になっている。たくさんの犠牲の上で勝ちとった暮らしに人々は嘆き、また争いを始める。なんと愚かで怖ろしい生き物だろうか。
最も怖ろしかったのは私も人間であったことだ。私もその一種であったことだ。