意識が宿る。
いや、戻ったのか。
あたりは真っ暗
目をつむっているのか。
目をひらいているのか。
認識できない。
無音
耳が機能してないのか
そもそも音とはどういうものだったか。
認識できない。
ただ感じるのは
囲まれている。
どこかに収納されているのか。
体、手、足、概念がない
意識だけがしっかりとここにある。
それはわかる。
以前の記憶と言うものがない。
まるで今産まれたみたいだ。
産まれる?
そう感じると言うことは生きることを体験したのだろうか。
認識できない。なぜここにこのような形でこの意識はめざめたのか。
死
死は肉体だけを消滅させ、魂は残すのだろうか
この状況は
生きているというより死んでいるという表現の方がしっくりくる気がする
そう、しっくり。この意識は死の残骸だ。
ではここはあの世ということになるのだろうか。
死は無をもたらすものだと漠然と思っていた。
死は意識だけを残すものなのか。
この意識はここに永遠に収納されるのか?
永遠
時間の概念がない空間
完全なる孤独
完全なる絶望
完全なる恐怖
発狂しようにも声がない
どれぐらい経っただろうか
まだここにある