水戸の児玉です。
一昨日は当院で"Influenca Follicles"に関するレクチャーが行われました。
"Influenca Follicles"とは昨年末にGeneral Medicine誌に掲載された"Follicles on the posterior pharyngeal wall are an early diagnostic marker for both seasonal and novel influenza."の中で提唱されている早期インフルエンザ診断に有用な咽頭所見です。
http://www.mitokyodo-hp.jp/00_all/flu.html
この論文のauthorであられる宮本医院の宮本昭彦先生は当院センター長の筑波大学病院レジデント時代の先輩とのことで今回ご講演を当院で拝聴することができました。
少し前にTFC-MLなどで話題沸騰となったこの所見ですが、どうやらインフルエンザのシーズンであれば感度、特異度ともにかなり高いようです。
特にレクチャーでポイントだと感じたのは
・最初はペンライトで咽頭後壁を照らした際にみえる光の点に注目しインフルエンザ感染の超急性期にみられる"Follicle Buds"をみつけることからはじめる。
・”Influenza Follicles”は急性期には”立ち上がりが急峻かつ鮮紅色”で2-3日経つと"裾野が広がり白色"に変化する。
・"癒合傾向があり白色"はむしろマイコプラズマ感染などNon-Influenza Folliclesの特徴だが"Influenza Follicles"との鑑別は急性期からこの所見であるということ。
などです。
また論文中には著者による各種ペンライトの吟味が載っているのですが、これはreviewerから必要ないのではないかと指摘されたにも関わらず著者のこだわりのため譲らなかったとの裏エピソードも伺えて面白かったです。
ちなみに宮本先生のお薦めはPanasonicのBF425というペンライトだそうで、ミーハーな僕はAmazonでさっそく購入させていただきました。
この所見に関する今後の検討が期待されます。
p.s. 宮本先生は今回当院レジデントに対して『普段のプラクティスを"Rational"なものまで高めてください』とのメッセージとともに当院図書館にJAMAの"Rational Clinical Examination"を寄贈してくださいました。身が引き締まります。