(2021/08/15 記)
一連の記事の最後になります。

今回公開された最後の2作品に触れます。
---
〇 ルシファーよ昇れ(1991)
既にBIGUP! で公開していた「あなたのもとへ」と並行制作したもので、
軽薄短小な国内軽音楽シーンに合わせて、CMソングとしての採用を目論んだ
歌詞の「あなたのもとへ」だけを、1991年元版からリズム隊のJS-5による差替えと
ヴォーカルを再録して2001年版を制作した経緯がありました。
ヴォーカルのピッチ修正が大変で、「ルシファーよ昇れ」に対して同様のステップ
アップはしなかったものの、本来、こちらが作品としては「本来あるべき姿」であり
「あなたのもとへ」は「売らんかなの砂糖菓子化」に過ぎません。
歌詞としてはこちらはまだ年齢相応なものの、改編前状態のリズム隊の貧相さが
無念です。
2001年版を作る際には、どちらか1作にするなら、こちらにするべきだったか、と
悔やまれます。「売らんかなの砂糖菓子化」の意図は外れて、不本意だけが
残りました。
男声ヴォーカロイド製品の品質向上に伴い、それを巧みに扱って、ヴォーカル曲
として違和感ない仕上がりを達成されている作編曲者もいらっしゃいますが、
私は踏み出せずに居ます。もう難しい新たな種類の作業になじむのが難しいと
いう老いの問題もあると思いますが、それ以上に、それらの技術が持つ一種の
「薄気味悪さ」(メロトロンの楽音がかつて言われたように音楽の熱を冷ます
雰囲気)のマイナスを作品に取り込んでも、過去の自身のまずい歌唱版を
遥かに超えるのか、という疑念もあります。
加えて、ヴォーカロイドで作ったトラックと、D16上の他のトラックの同期を
とる技術的な難も無視できません。多くのヴォーカロイド楽曲は全作業をPC上
で統括されているようですが、それが現時点の創作スタイルになじみません。
1991年版のTASCAM244 によるアナログ4chマスタカセットテープを(衝動的な
断捨離でもしたのか、カセット1本の空間がそんなに重要だったか)紛失したらしく、
そこからのヴォーカルトラック抽出する案も断念せざるを得ませんでした。
肺活量がピーク時の半分以下となり、歌唱能力が低下した今では、満足に歌う
ことができずリメイクはもう出来そうにないため、そもそも今回の一連の旧版公開
への流れの発端となりました。
音楽配信サイトにサブスク契約をお持ちの方は次のリンクよりどうぞ。
音楽配信サイトにサブスク契約のない方はこちらから。
(いずれは45秒制限をかける予定です。)
【歌詞】:各リンク先から参照できないようなので。
朝焼けの中でこの想いを歌う
あなたのために
ルシファーよ昇れ
悪魔の闇を照らし出せ
ルシファーよ昇れ
月や太陽追い越して行け
悪魔の笛吹きが高らかにやって来る
生き方を押し付ける奴だけど
答えをくれはしない
大人びた顔に笑いを浮かべても
中身など無いさ
だからそんな奴は無視して
あなたは夢へと逃げ帰れ
ルシファーよ昇れ
そんな奴を焼き尽くして行け
氷の白鳥 胸に抱いた女が来る
ぬくもりも失った女だから
答えをくれはしない
燃え盛る心を隠している限り
意味など無いさ
そんな奴等は無視して
あなたは夢へと逃げ帰れ
ルシファーよ昇れ
そんな奴等を焼き尽くして行け
あなたの為なら喜んで
この身を捧げよう
忘れないで この想いが
空を焦がして 燃え尽きて行くまで
朝焼けの中でこの想いを歌う
あなたに全てを
ルシファーよ昇れ
悪魔の闇を照らし出せ
ルシファーよ昇れ
月や太陽追い越して行け
注釈:「あなたのもとへ」中の「あなた」はよくあるラブソングの相手に過ぎませんが、
「ルシファーよ昇れ」中の「あなた」は「(猛威を振るうにはまだ未成熟な魔王と
しての)「ルシファー」を指す、それに対して「あなたの為なら喜んで この身を
捧げよう」という意味合いにおいて、ほぼ同じサビの歌詞でも意味合いが
全然変わって来ることが伝われば幸いです。
※ アレンジとしては現時点での最終版となる「あなたのもとへ」も併載します。
なお「(1993,2001)」は「(1991,2001)」の誤りです。修正には全音楽配信サイトから
一旦削除が必要なので、手が出せません。
音楽配信サイトにサブスク契約をお持ちの方は次のリンクよりどうぞ。
音楽配信サイトにサブスク契約のない方はこちらから。
(いずれは45秒制限をかける予定です。)
【歌詞】:こちらの歌詞はどうでもいいのだけれども(気恥ずかしいし)...。
朝焼けの中でこの想いを歌う
あなたのために
あなたのもとへ
光の波かきわけて
あなたのもとへ
月や太陽追い越して行くよ
それは一筋の 燃える様な赤い糸
細いけれど 切れはしない
遠くはるか あなたのもとへ届く
今にでも飛んで行けるのなら何も
惜しくはないさ
あなたのもとへ 光の波かきわけて
あなたのもとへ 月や太陽追い越して行くよ
たとえため息のもれる様な遠くでも
凍りついた星空に叫ぶほどの
虚しさにも耐えて
いつか訪れる春の光の中 あなたを待つよ
あなたのもとへ 光の波かきわけて
あなたのもとへ 月や太陽追い越して行くよ
あなたの為なら喜んで この身を捧げよう
忘れないで この想いが
空を焦がして 燃え尽きて行くまで
朝焼けの中でこの想いを歌う あなたに全てを
あなたのもとへ 光の波かきわけて
あなたのもとへ 月や太陽追い越して行くよ
---
〇 未来への記憶 (1984)
QX7などのシーケンサーも入手していなかった時代の作品で、全てのパートが
つたない手弾きによるもの。そのため、オケが仕上がった後、自身の声域には
キーがやや低過ぎると分かった時点では、どうにも修正不能だったため、
元々不得手な歌唱の仕上がりが更に悪いものになっているのは否めません。
(が、作曲者としてはあまり転調で雰囲気が変わるのも困るので、その折衷が
難しく、リメイクの際も大きな転調は考えませんでした。)
この作品をテープオーディションに送って半年か1年かの後、ファッションモデル
がヴォーカルのおしゃれユニットで「未来の記憶」というのを出した時には、
なんだかイヤな感じがしました。楽曲は聞いてませんので、憶測に過ぎませんが。
音楽配信サイトにサブスク契約をお持ちの方は次のリンクよりどうぞ。
音楽配信サイトにサブスク契約のない方はこちらから。
(いずれは45秒制限をかける予定です。)
【歌詞】:各リンク先から参照できないようなので。
(1) 荒れ野を吹いてゆく風も 今はまだ優しく
枯れ葉のようにあてもなく
その中に身を任せ漂う
見知らぬ他の世界から
漂えるこの身に「今、目を覚ませ!」と声がして
時が去りゆくのを知らされた
輝いた日々の想い 今 追いかけてみても
秋が真冬と入れ替わる そのほんの束の間に
ああ みんな 消えて行く 未来への記憶
(2) 私の心の奥にまで 突き刺さる氷の棘
かつては心の温もりで
融かし去ることさえ できたのに
そんな季節が そこにまで 近づいて来るのを
見知らぬ世界の彼にさえ
それをどうにもできはしない
古の歌に託された魂が
開け放たれた夕焼けの 空の暖かさとともに
ああ みんな 消えて行く 未来への記憶
(間奏)
(3) 赤錆色の月の弓が
地平線のその下で 眠りについた太陽に
いつでも狙いをつけるように
背後の闇の奥深く 渦巻いているのは
僅かに歪む 夢の跡 刺し貫くような 眼の光
あなたに伝えたい 虹色に染まる叫び
星の光の創りだす 繭の中に包まれて
二度とは 現れぬ 未来への記憶
---
「赤錆色の月の弓が 地平線のその下で 眠りについた太陽に
いつでも狙いをつける」は文学表現に留まらない天文学的真実でも
あります。
このような歌詞はもう今は書けません。
「楽園追放」と同じく「音で聴く映画」の極致であり、 還暦過ぎてから完成の
「旅路の果てに」「長い夢から覚めて」に40年一貫する世界観です。
このような、また今回追加公開したヴォーカルもの4作品のような、
「フォーク野郎が口先とギター一本で恋愛もの一辺倒の日記赤裸々公開+
表面だけアジテーションな陳腐曲をバンド編成にしてロックぶる陳腐」の
対極にある作品を、そしてあえて自身で言うなら「薬物中毒による幻覚とは
異質ながら、しかし理知的な方向から芸術方向にイメージ追究で攻めた
結果、それに極めて接近した世界」を、もし国内で他の誰かが作っていてくれて
居たなら、きっと私は苦労してまで自作曲を形にすることなく、頭の中だけ
で鳴らして愉しみ、グルメやら惑星写真やら、普通の人間が普通に享受する
他の娯楽を大いにエンジョイした人生だったことでしょう。
1970年代の英国プログレッシブ・ロックの歌詞とも違います。数多くのクラシックの、
いわゆる「芸術歌曲」の歌詞なども比較すれば単純で幼稚過ぎます。
※ 後年にリメイクは試みたのでしたが、如何にもDTM レベルの安い仕上がり
に幻滅して、元版にそったパートの抜き差し(ON/OFF)など細部調整もパスして、
ヴォーカル曲としての仕上げも辞めた2014年版は、長年souncloudには公開
していました。
半自動編曲ソフトBand in the Box 21 とMOXF6 を使って、作品のリメイクを量産
できれば、とトライしたものでしたが、つたない手弾きの元版を超えることは
ありませんでした。
Band in the Box 21もそれから1度も使っていません。楽譜を本屋で買って来て、
記載されているコードを打ち込み、生成されたオケを「これ、オレのオリジナル。」と
胸を張れる程度の一般的な音楽趣味の人には悪くないのでしょう。
創作レベルで使えるものではありませんでした。
ご覧いただきありがとうございます。