【股関節の外旋】多くの人が勘違いしている“外旋できていない理由”と正しいトレーニング方法
「股関節を外旋しているつもりなのに、実は膝下だけがねじれている」 これは、ストレッチ経験者にも非常に多い誤解です。
まずは、なぜこの代償動作が起きるのか。 そして、どうすれば本当に“股関節から外旋”できるようになるのか。 構造動作トレーニングの視点から整理します。
■ 多くの人が勘違いしている「股関節の場所」
股関節は英語で hip joint。 解剖学的には お尻のえくぼの奥 に位置する関節です。
しかし一般の方は、 鼠径部(脚の付け根)=股関節 と誤解していることが非常に多い。
その結果、
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鼠径部を起点に脚を外に回す
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つま先だけ外に向ける
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股関節は動かず、膝下だけがねじれる
という代償動作が起きます。
つまり、
「外旋しているつもり」で、実際は“膝下のねじれ”しか起きていない
これが外旋ができない最大の原因です。
■ 股関節の外旋には「軸」と「外旋六筋の収縮」が必須
股関節を外旋するためには、
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股関節の運動軸が通っていること
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外旋六筋(深層外旋筋)が収縮して働ける状態であること
この2つが絶対条件です。
筋肉の生理作用はとてもシンプルで、
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関節運動
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体温の発生
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筋ポンプ作用
どれも 筋肉は“収縮”で働く のが基本です。
しかし多くの人は、
太ももを外にねじるストレッチをすれば外旋ができる
と誤解しており、 筋肉を“伸ばす”ことばかり行ってしまいます。
これでは外旋六筋は働かず、 股関節の外旋は永遠にできません。
■ ストレッチを続けている方へ
→ 今すぐ「股関節の運動トレーニング」に切り替えるべき理由
ストレッチでは外旋六筋は働きません。 必要なのは 股関節を動かすトレーニング です。
その最適解が 股割り です。
■ 股関節の外旋力を高める「股割り」の正しいやり方
股割りは、単なる柔軟ではなく 股関節の軸を通し、外旋六筋を働かせるための構造トレーニング です。
ポイントを順番に整理します。
① 骨盤を立てられる高さに調整する
股割りの成否はここで決まります。
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骨盤が立つ高さに座る
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左右の恥骨をそろえて骨盤を中間位にセットする
骨盤が立たない状態では、股関節は動きません。
② 脚を“固定”する(これが外旋の前提)
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つま先を立てて 前脛骨筋を収縮
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膝関節を伸展し 大腿直筋を収縮
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足指を握り 長母趾屈筋・長趾屈筋を収縮
この脚の固定ができていないと、 外旋ではなく膝下のねじれが起きます。
③ 開脚前屈で股関節を動かす
前に椅子を置き、左右同じ高さのグリップを握ります。
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肘関節を伸展して体軸をキープ
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重心を前に送り、股関節を動かす
このとき、
膝が前に倒れる=外旋できていない証拠
脚を固定したまま、 股関節だけを動かすことが重要です。
■ まとめ
股関節の外旋ができない原因は、
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股関節の位置を誤解している
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鼠径部から脚を回してしまう
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ストレッチで外旋できると思っている
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外旋六筋が収縮できていない
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股関節の軸が通っていない
この5つに集約されます。
そして、 外旋六筋を働かせ、股関節の軸を通すための最適な方法が「股割り」 です。
股割りは柔軟ではなく、 股関節を“使える状態”に戻すための技術です。
股関節の外旋ができるようになりたい方は、 まずストレッチをやめ、 今日から股関節の運動トレーニングに切り替えてください。
■関連リンク
■プロフィール
中村考宏(三重県桑名市・えにし治療院)
著書 『骨盤おこしで身体が目覚める』(春秋社) 『趾でカラダが変わる』(日貿出版社)
