8月の構造動作トレーニング・東京教室「 所有感覚メソッド 」は、意識下の感覚と運動の循環を良好にするための深部感覚ルーティーン・ペアワークを実習した。
深部感覚は、皮膚や粘膜の表面ではなく、それより深部に存在する感筋・腱・関節・骨膜などにある受容器によって起こる感覚で、固有感覚ともいわれる。位置覚、運動覚、重量覚などを感知する感覚。人は深部感覚によって、目を閉じていても手の位置や曲がりぐあい、その動きを感じることができる。牧神の蹄を使って、感覚と運動の仕組みを理解し、深部感覚が循環する条件を整える。
深部感覚ルーティーン・ペアワークをおこなうときに重要なことは、空間づくりである。このメソッドで、何を目的におこなうのか、ということを各自理解していなければならない。ペアワークの主が誰であるのか、サポート役は術者になってはいけない。主になるものが、内部に生じる刺激を感知し、感覚にする。サポート役が術者になってしまうと、外部刺激を与え、主になるものが感覚にできなくなり、ペアワークの目的から外れることになる。
ペアワークでは、感覚の順応を味わい、感覚というものの理解を深める。生物が持続的な環境の変化に対処して、その生理的機能などを変化させ、生活を維持しようとする過程を順応という。刺激が持続的であるときにしだいに感覚が鈍くなる「なれ」の現象を感覚の順応という。
ペアワークの利点は、サポート役がいることで、重力下だけでは感覚にできない重さを感覚にできることである。この重さによって、各骨の形状にとって、力学的に最も強度を発揮できるポジションを感覚にすることができる。
ひとりでも深部感覚ルーティーンをおこなうことができる。ひとりでおこなう場合は、やりやすい部位が限られてくるが、全身おこなうことができる。