体がやわらかい人の開脚前屈の問題点について。体がやわらかい人の特徴は180度開脚から前屈をすると、べったり力なく床に伏せてしまいます。そのとき、つま先が正面を向いて股関節が内旋、あるいは、股関節の動きがないまま脚が内側に倒れてしまいます。さらに腰が丸まって、下腹と床が接触できないので空いてしまいます。
また、つま先を立てて足をキープすることができても、腰が丸まってしまいます。基本に忠実なクラシックバレエの指導者でも開脚前屈の最終で腰椎の生理的前弯を保持することができず、腰が抜けてしまいます。つまり、腰が入らないのです。
スポーツ、ダンス、格闘技などをする場合に「体がやわらかいとよい」といわれてきましたが、長年やわらかい人たちを見てきた経験から股関節をコントロールできない柔軟性は滑らかな動作をするのに逆効果になります(円滑な重心移動)。
実際、体がやわらかい人たちからは、股関節をコントロールできない、怪我や体の痛みなどの相談を多数聞いてきました。これは、一般の方の健康のための柔軟性ということではなくて、競技など動作にキレを与えていかなければならない人たちの柔軟性ということです。自分自身がコントロールできない関節の可動域というものをイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。いくら開脚幅が広がって上体を前屈できているように見えても、自分がその開脚前屈の動作で股関節を外転・外旋-屈曲のコントロールができていなければ、実践で使えない可動域ということです。
開脚前屈では腰椎の生理的前弯を保持、つまり、体幹を保持して動作をすること。つま先を立てて両足を保持した状態で体幹が股関節から前屈すること。股関節から体幹が前屈すると、恥骨結節、下腹の順で床に接触します。体がやわらかい人は、このポイントを注意してみて下さい。
腰椎の生理的前弯を保持して開脚前屈動作をおこなう理由は、腰が丸まる、あるいは、腰椎が後弯した状態では、骨盤の運動が止って、腰椎が運動を代償していることになります。これでは、股関節の運動を起こせないばかりか、第2仙椎に運動軸がある仙腸関節の動きを止めて、骨盤自体の動きを制限してしまいます。恥骨結節から下腹が床につくということは、股関節から骨盤が動いている証拠なのです。
▲ 出典:Grant’s METHOD of ANATOMY



