動きの癖/動きのフィジカル・トレーニング | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

ある動きの癖は、新たな動作の妨げになる。
癖とは、人が無意識のうちに行う習慣的な行動のこと。
私にも癖がある。
以前は、自分に癖があることすらわからなかったが、
トレーニングをするようになって癖を認識できるようになった。
例えば、力を入れようとするときに手の親指を反らせる癖。
これは昔、ダンベルやバーベルを親指側で握ってもっていたことや、
指圧の実習で親指を反らせていた習慣がいまだに残っているのだ。
今ならシャフトは立体的な手で握る、指圧は親指を反らせない、
ということがわかるけれど、当時はわからず習慣が悪癖になった。
私の場合は、親指側を主にしてしまうことで肩関節に内旋がかかり、脇が開きやすく、体幹と上肢の連動性を断ってしまい最悪なのだ。
実はこのようなことは多い。
よいと思っていやっていることが必ずしも正しいとは限らない。

それならすぐさま癖を直せばいい!
ところが、そんなに簡単なことではない。
動かし方を忘れているのだ。
立体的な手に戻すためには、あるいは眠らせている筋肉を起こさなければならない。
トレーニングというよりは、リハビリといっていいだろう。
伸張-収縮-弛緩を繰り返し関節を可動させる。
とても地道なリハビリだ。
末端の手足は突き指や捻挫などをしやすく、関節の可動を回復させずに放置されている。
様々な癖には古傷なども重なって複雑になっている場合が多いので、
丁寧に関節の運動方向へ筋肉を収縮させることが大切だ。
そして、筋肉と関節のリハビリを行って動くための準備が整ったら、重心が円滑に移動するようトレーニングを行う。
私は股割りで重心移動をするときに親指を注意してみている。
以前は、親指がピンピコピンになっていたが、最近は軽く遊びをもたせれるようになった。
これでずいぶん股関節が滑らかになるのだ。

動きの癖は、怪我につながることが多い。
古傷をかかえて競技をしているアスリートは古傷が悪癖と考えた方がいい。
それで飯を食うならともかく、古傷の対処のないまま競技を続けていては、カラダを雑に使って酷使しているだけ。
古傷だとか持病だとかいって諦めず、きっちり、リハビリの手順を踏んで長く競技を続けてほしい。

また、パフォーマンスが上がらないときは動きの癖を見直してみるとよい。
見た目のフォームの修正だけでなんとかなるレベルならいいかもしれないが、大概は眠らせてる何かがある。
まず、重心移動、骨格ポジションをチェックし、続いて骨格筋の働きをチェックする。
そうすれば、できていないこと、苦手なことなどがあらわれ、やらなければならないことが見えてくるはずだ。

フィジカル・トレーニングには『動き』が欠かせない。
新たな動作にチャレンジできるよう元々ヒトが備えている機能を回復させよう!



「股関節が硬い」徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座-腸腰筋トレーニング



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2013/11/23 【技アリ企画】第42回「構造動作トレーニング東京セミナー」
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