"おこうこ"考:京都今時オーキー・ドーキー#57 | アキートのブログ

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京都市中京(なかぎょう)区生まれ、現在北区在住で元大学教授のアメリカ文化研究家です。
アメリカの風俗・音楽・映画・料理などや
”京のまち”の 日常、今昔 について思いつくままに書いています。
どうぞお楽しみください。

師走に入り、京都市内でも今のところ雪は降っていませんが、例年になく寒い日が続いています。さて、今回はお漬物の一種、“おこうこ”についてのお話です。




和食のお店では、お漬物のことを“香のもの”と呼ぶことはよくあることと思いますが、京都では食べ物にもよく“お“を付けますので(例:おまん[お饅頭]、おうどん[お饂飩]、おいなりさん[稲荷寿司]など)、“おこうこ”とは“こうこ(香々)”に“お”が付いて“おこうこ”となったものということではないでしょうか!?

一般的には“たくあん(沢庵)”と呼ばれている漬物が、京都では“おこうこ”というのが実態だと思います。たくあんの切り方ですが、普通、輪切りにしたり、太いものはそれをさらに半分に切って半月切りにすると思いますが、私が育った中京(なかぎょう)では少し違った切り方をしていました。




まずは、棒状の“おこうこ”を幅56センチほどの横切りにします。それを今度は縦向けに1~1.5センチ幅の角切りにして、お皿の盛りつけます。(写真参照)

小さい頃、中京の家のご馳走の1つはお手製の“巻きずし”でした。具は:かんぴょう、しいたけ、おこうや(高野豆腐を甘辛くたいて水気を絞ったもの)に細角切りの“おこうこ”+軸三つ葉(葉は使わない)。“巻きずし”の具に使うためにも“おこうこ”は細角切りにしていたのかも知れません。




“おこうこ”入りのお寿司は、家庭では太巻きがメインですが、お寿司屋さんでは細巻きがメインかも知れません。単独では“こうこ巻き“、合わせ技では、“助六”(こうこ巻き、キュウリ巻き、おいなりさん)、三色巻き(てっか巻き、キュウリ巻き、こうこ巻き)など。鞠小路の「中村や」(注文販売のみ)や祇園石段下の「いず重」などで味わえます。



(昔からお馴染のいず源さんのメニューに“こうこ巻き“が見られます)



ところで、こう寒くなると“蒸しずし“が食べたくなりますよね。「明日行ってこ」