"contribute" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"contribute"を取り上げたいと思います。

 

"contribute"に対する訳語はいくつか覚えているでしょうか?またそこから得られるイメージはあるでしょうか?今回はこのあたりを見ていきます。

 

ではいつも通り『ロングマンExams英英辞典』"contribute"を見てみましょう。

 

"contribute"

 

to help to make something happen

 

ex) Stress is a contributing factor in many illnesses.

      Alcohol contributes to 100,000 deaths a year in the US.

      Enya's success has contributed substantially to the current interest in Celtic music.

 

まず意味の方は何かを起こさせるのを助けるとあります。ここでは特に良い意味や悪い意味は示されていないのがポイントです。

 

では具体的にどのように"contribute"を使われるのかを見てみましょう。1つ目の例文ではストレスが"a contributing factor"であり、どこでかと言うと多くの病気においてと続いています。この場合、"contribute"は病気に関わっているということで悪い意味合いに感じられます。

 

次に2つ目の例文ではアルコールと死が"contribute"によってつながっています。年間10万人とは多い気がしますね。こちらも死ということで悪い感じですね。

 

最後の3つ目の例ではようやく良い意味として"contribute"が使われています。エンヤの成功がケルト音楽の興味につながっているということですね。

 

このように例文を見てみると良い意味と悪い意味の両方のニュアンスが"contribute"にあるのがわかると思います。"contribute"

の訳語としては「貢献する」がありますが、「貢献する」は日本語の感覚としては良い意味のイメージですね。上の例ではエンヤの成功は貢献しているなら合いますが、1や2の例で「貢献する」を使うと日本語的に合いません。"contribute"が悪い意味で使われるなら「~の原因となる」とすると合いそうです。

 

ここから考えられることは日本語の訳語によるイメージには注意が必要ということです。"contribute"=「貢献する」とだけ覚えていると"contribute"は良い意味合いと理解してしまうので、英英辞典の定義のように英語本来の意味をおさえたいですね。