今日は「再び"wonder"かしら?」をまとめたいと思います。
"wonder"は以前にも取り上げていますが、気になる点を改めて考えてみます。
まずは『ロングマンExams英英辞典』で"wonder"の意味を確認してみましょう。
to think about something that you are not sure about and try to guess what is true, what will happen etc
ex) I wonder how James is getting on.
What are they going to do now, I wonder?
意味の方は確信が持てないことについて考えて、何が真実か?何が起こるかなどをあれこれ思い巡らす感じですね。
具体的にどう使われるのか1つ目の例文を見てみると、ここではまず最初に"I wonder"があり"how ~"についてあれこれ考える感じです。"how"のあとはS+Vの形になっているパターンになります。
次に2つ目の例文を見てみると、今度は最後に"I wonder"が来ていますね。この文ではまず"What ~"と述べて、そのことについてあれこれ考えているという感じです。こちらは"What"のあとは疑問文の形になっているので1つ目の例文のパターンとは異なる点を確認したいですね。
ここまであえて"wonder"の訳語を示していませんが、皆さんはどのような訳語を覚えているでしょうか?個人的には「~かしらと思う」という訳語を学生の頃最初に覚えた記憶があります。このときなんかはっきりしないというかしっくりこない訳語だな~と思ったのでこのことをいまでも覚えています。
なぜ「~かしらと思う」はピンとこないのか?ポイントは「かしら」ですね。日本人の感覚としては「~かしら」は主に女性が使うイメージがないでしょうか?個人的には普段の会話で「~かしら」ということばは使いません。なので"I wonder ~"で「~かしらと思う」と訳すのは場合によりしっくりこないと感じてしまいます。
では英和辞典の"wonder"の訳語はどうなっているでしょうか?これはいくつか見てみると違いがあって面白いです。確かに「~かしらと思う」を載せている英和辞典は多いですが、色々訳語に工夫している英和辞典もある印象です。「~かなと思う」や「~かどうか知りたいと思う」などもあるので文によってうまく使い分ければいいかと思います。
今回「かしら」が気になったので国語辞典を見てみると、確かに「女性が使うことば」という説明がありましたが、中には「近年、男性も使う」と示しているものもありました(『学研現代新国語辞典』)。自分は「~かしら」は使いませんが、他の男性が「~かしら」と使うのは聞いたことがあるので、男性が使うというのも全くないとは言えないのかもしれません。また現在は性別を区別しない傾向があるので、ことばの面でもこのような使い分けが変わっていくことが考えられそうです。
そう考えると英和辞典の「~かしらと思う」は古い訳語という感じもしなくなってきます。これから10年20年して男性も「~かしらと思う」をよく使うようになれば、"wonder"の訳語としてピッタリと感じる日が来るかもしれません。日本語の感覚の変化によって英語に合う日本語訳の変化も徐々に起こりうると考えられそうです。