"have no head" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"have no head"をまとめたいと思います。

 

またサマセット・モームの英文を読んでいたら出くわしたもので確認しておきます。

 

"have no head"は直訳で「頭がない」となりますが、どういう意味でしょうか?まずモームの文を上げておきます。

 

There are people who have no head for cards.

 

使われている単語は基本的なものですね。わかりにくいとすれば"have no head"の箇所でしょう。

 

"have no head"となっているところは、辞書では少し違う形で載っていると思います。『ロングマンExams英英辞典』では

"head"の項に次のような形で説明があります。

 

have a (good) head for figures / facts / business etc

 

to be naturally good at doing calculation, remembering facts etc

 

この説明から分かるように、計算だったり事実の記憶などが得意という意味で使われます。

 

"have a good head for ~"とあれば「良い頭を持っている」ということで"have no head"よりは意味が想像しやすいかもしれませんね。

 

今回のモームでは"have no head for cards"ということで、

"no"と否定になっていることから全く得意ではないということになります。

 

そして何について不得意なのかというと"for cards"です。「カード」は文脈で意味が変わってきますが、モームの文章では「トランプ」のことを指しているようです。

 

したがって一番最初に上げたモームの文は、「トランプが全く不得意な人達がいる」となります。

 

"no"になっている点や"cards"が何を指しているのかが、文の理解を少しわかりにくくしているかもしれません。

 

辞書に載っている形は頻度的に使われやすいものだったり、基本の形だったりしますが、実際の英文では少し違った形になったりするのはよくあることなので、わかりにくい時は元の形をよく考えてみると良さそうです。