"continental" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"continental"ということばに注目してみたいと思います。

"continental"にはいくつか訳語がありますが、その一つを取り上げて見ます。まずその意味についてロングマンExams英英辞典で確認してみましょう。

belonging to or in Europe, not including Britain

これは「ヨーロッパ大陸の」と訳されるもので、ポイントはイギリスを含んでいない点です。「ヨーロッパ」というとフランスやドイツ、そしてイギリスもイメージしますが、"continental"ではイギリスは除かれています。

"continental"には「大陸の」という訳語もあり、イギリスから見た大陸が「ヨーロッパ大陸」なので、「ヨーロッパ大陸の」という意味になっています。

哲学の本のタイトルに"Continental Philosophy"というものがありますが、これは「ヨーロッパ大陸の哲学」と訳されます。

そしてその意味しているところは、イギリスの哲学とヨーロッパ大陸の哲学を分けている点です。さらに言うと、大陸の現象学系の哲学と英米系の分析哲学に分かれているというものです。

英語は元々はイギリスで話されていたことばなので、イギリスの視点からの世界の捉え方が"continental"には含まれています。

また日本で「大陸」と言えば、中国などをさすように、どこの視点からみて大陸と言うかでそのさす大陸が変わってくるので、一つ視点というものを意識すると面白いと思います。