"ill"と"sick" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は似た単語を取り上げます。

"ill"と"sick"です。どちらも日本語訳としては「病気の」となりますが、どうちがうのでしょうか。早速ロングマンExams英英辞典を見てみましょう。

"ill"

suffering from a disease or not feeling well


"sick"

suffering from a disease or illness

説明文が最初同じであったり、"sick"の方に"illness"があったりとこれでは違いが分かりません。

一応例文を見てみましょう。

Bridget can't come - she's ill.

His mother's very sick.

こちらも違いが分かるというものではないでしょう。

英英辞典で分からないと英和辞典に頼ることになります。いくつか見てみると、"ill"は主にイギリス英語で使われ、"sick"はアメリカ英語で使われるようです。

そしてイギリス英語では"ill"は述語として、"sick"は限定のみ、アメリカ英語では"sick"は限定、述語どちらもOKで、"ill"は少し堅めの表現とのことです。

つまりイギリス英語とアメリカ英語での違いがこの二つにはあるようです。しかしロングマン(イギリス英語)の例文では"sick"が述語として使われているので、必ずしもはっきりと区別されているとは言えないみたいです。

学校で習う単語としては"ill"よりも"sick"の方が早いと思います。これは学校で習う英語がアメリカ英語であるというのが理由なのかもしれません。

それほど正確に使い分けなければならないものではありませんが、イギリス英語とアメリカ英語での違いがあることをおさえておきましょう。