"die young" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"die young"という表現を取り上げます。

単純そうな表現ですが、よく考えてみると面白いです。

まずここでは"die"が動詞で「死ぬ」という意味です。問題は後ろの"young"です。この"young"は形容詞なのでどのように動詞につながるのか考えてしまいます。

というのも形容詞は普通は名詞につながるからです。例えば"young people"のようにです。

でも"die young"は間違った言い方ではないので、少し特殊な表現と言えるかも知れません。

辞書を見ると"die ~"で「(~の状態で)死ぬ」とあります。文型で表すとSVCということになっています。

そして~の部分には"young"(若いうちに)や"happy"(幸福のうちに)や"poor"(貧困のうちに)などが入ります。

つまりこういった状態で死ぬことを表しています。

クイーンの『No One But You』(←アマゾンへ飛びます)の中に次のフレーズが出てきます。

Only the good die young.

この曲は今は亡きボーカルのフレディー・マーキュリーのことを歌っていて、かなり泣ける曲です。

このフレーズの意味は「善人だけが若くして死んでいく」ということです。つまり若くして死んでしまった人に限っていい人であるということです。

少し文法的に見てみると、"the"+形容詞で「~の人々」を表し"the good"で「いい人々」となります。これは複数形扱いなので動詞は三単現にならずそのまま"die"となっています。

この"The good die young."は、英語では一つの決まった表現とも考えられているようです。『Little Oxford Dictionary of Proverbs』(←アマゾンへ飛びます)によると"often used ironically"と説明があります。

クイーンの曲ではそんなことは絶対ありませんが、"The good die young."の一般的な使われ方ではよく皮肉で使われるということです。

わかりやすく言うと、若くして死んでしまった人に対して善人だったから早く死んでしまったんだという考え方です。

"die young"という表現は使いたくありませんが、出てきたときに理解できるように覚えてもらえればと思います。