ケネディーの就任演説 | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日はJ.F.ケネディーのとても有名な演説を紹介したいと思います。

今でもアメリカではケネディーは人気のある歴代の大統領で、現在の民主党の選挙にも影響を及ぼしています。

そんなケネディーには、有名な就任演説があります。以下はよく取り上げられる一部です。

And so, my fellow Americans: Ask not what your country can do for you - ask what you can do for your country.

My fellow citizens of the world: Ask not what America will do for you, but what together we can do for the freedom of man.

大体の日本語訳もつけておきます。

アメリカの国民のみなさん、祖国があなたのために何をしてくれるかを問うはやめましょう ー あなたが祖国のために何ができるかを問うてください。

世界のみなさん、アメリカがみなさんのために何をしてくれるかを問うのではなく、人間の自由のために一緒に私たちが何ができるかを問うてください。


なぜ有名な演説かというと、内容もいいのですが、レトリックがすばらしいからです。最初の部分では、"your country"と"you"を入れ替えて表現しています。これによって誰が誰のためにするかという視点が変わって印象的になります。英語は能動的な表現を好むので、「誰が何をする」かが大切なのです。2つ目の部分でも同じように、入れ替えがあります。

入れ替えをのぞくと、前後は表現の骨組みは似ています。この繰り返しが印象を深めているのポイントです。英語になれていないと、少しくどい言い回しのように感じるかもしれませんが、とてもよく作られた表現です。

今回の演説は、実際に声に出して読んでみると、どのように響くかが分かっていいと思います。また、ケネディーの実際の録音もCDであるので、それを聞いてみるのもいいと思います。