"ghost" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"ghost"を取り上げたいと思います。


"ghost"は日本語では「幽霊」のことですが、日英では違いがあります。

日本では、幽霊は足がなく、スルスルっと移動するイメージがあります。そしてなぜだか女性の幽霊が多いと思います。なぜ足がなく女性の幽霊というイメージがあるかは分かりませんが、民俗学ではいくつか理由づけがされているみたいです。


一方英語の"ghost"の方は、足があります。そして特に女性というイメージはありません。

足があるないと言っても、一般の人には実際には見えないので、そのように言語や文化に考えられているのでしょう。

シェークスピアの『ハムレット』の映画では、ハムレットの父の亡霊が出てくる場面ではちゃんと足がありました。当時のその映画はCGはなく二重映像でしたが、足は確認できました。

また少し前に「英語の世界観」で取り上げたCharles Dickensの"A Christmas Carol"にも"ghost"は出てきます。その本には絵がところどころあって、"ghost"も描かれています。その絵の"ghost"でも、何人かは足が確認できます。


今回の"ghost"では、日英でのイメージが違うことが分かります。同じ対象であっても、そのとらえ方やイメージが違うのは興味深いことです。

いつもどおり日英には差があり、"ghost"=「幽霊」ではないことを覚えておきましょう。