"help"ー結果重視 | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

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今日は"help"を取り上げたいと思います。

"help"といえば、「助ける」「手伝う」という意味を思い浮かべるでしょう。確かにそのような意味ですが、"help"が日本語のこれらの意味と全くイコールではありません。

取りあえず例文をあげてみたいと思います。

Bob helped me to pass the exam.

意味は分かるように「ボブは私が試験に合格するのを手伝った」ということです。

日本語の場合、「ボブは私が試験に合格するのを手伝ったが、試験に落ちてしまった」と言えますが、英語では言えません。つまり上の文の後に、"but I couldn't pass it"とは続けられないのです。

英語の場合は、"help"は手伝って、それが成功する意味が含まれています。「結果重視」と言えるでしょう。一方日本語の場合は、「手伝う」はそれが成功してもしなくても使えます。ポイントはその過程なので、「過程重視」と言えるでしょう。


「参加することに意義がある」ということばを聞いたことがあるでしょう。これは日本的な発想だと思います。結果よりもその過程が大切であると日本文化は考えます。結果が出なくても、その過程を頑張ったならそれで良しということです。

しかし英語的な発想では、結果が大切であって、その過程はどうでもいいというものです。いくら過程で頑張っても結果が出なければ評価されません。メジャーリーグでも、途中までよくても最終的な結果が出せなければクビになってしまいます。

今回の"help"でこの日英の発想の違いが表われていると思います。何かを手伝ってそれがうまくいくまでを意味しているのが英語の"help"であり、何かを手伝ってそれがうまくいってもいかなくても使えるのが日本語の「手伝う」です。

文化の型として、「結果重視の英語」「過程重視の日本」を覚えておくといいでしょう。
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