"swan song" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"swan song"という表現を取り上げてみたいと思います。

"swan song"はどんな意味か想像できますか?

直訳すると「白鳥の歌」。

でも今回取り上げるのは違う意味です。取りあえずいつもどおりロングマン英英辞典(LDCE)で確認してみましょう。

the last piece of work or performance of a poet, painter etc

大体の意味は、「詩人や画家の最後の作品やパフォーマンス」です。

ではなぜこのような意味になるのでしょうか?

由来は、白鳥は死ぬ前に最も美しい声で歌うことからだそうです。

実際に美しく歌うかは分かりませんが、恐らく人間が美しいと感じたのでしょう。そのとらえ方が"swan song"という表現を生み出したと考えられます。

死際に美しい声で歌うとは、はかないですが、少しロマンチックでもあります。

作家でも音楽家でも、遺作というと読んだり聞く方は普通よりも多くのことを感じてしまうものです。例えばクイーンの"Made in heaven"という作品は、フレディー・マーキュリーの死後作られましたが、彼の参加した最後の作品です。これなんか聞くと、個人的には考え深いものがあります。

このように人間は最後の歌声を白鳥にも美しく感じてしまうのでしょう。