今回は"present"で、日英の文化的違いを見てみたいと思います。
英米では"present"をあげる時、"I hope you'll like it."(気にってくれるとうれしいですが)などと言います。つまり、自分は相手に対していいものを用意して、それを気にってくれることを望みます。
また英米では、基本的に"present"をその場で開けます。逆に日本ではその場で開けないことが多いですが、最近は開けることも増えてきています。
欧米人は一般にプレゼントをあげるのは、誕生日やクリスマス、結婚や子供が生まれた時くらいで、日本ほど贈り物はしないようです。
日本ではお世話になって人などに、ちょこっと手土産を持っていったりします。欧米人よりプレゼントをあげる頻度は高いでしょう。
日本の贈り物が英米の"present"と大きく異なるのは渡す時です。日本では「気にってくれるとうれしい」はあまり言いません。決まりことばは「つまらぬものですが...」です。つまり控えめなのです。
これは英米人には理解しにくいものです。
英米人は「つまらぬものですが」と言われたら、「そんなもの持ってくるな」と思うでしょう。要するに"present"はいいものを用意しなければならないのです。「つまらぬものなら最初から持ってくるな」という考えです。
日本では本当につまらぬものとは限りません。中には高級なものもあります。でも「高級なものだから気にってくれると思います」などとはけして言いません。そんな時でも「たいしたものではありませんが」などと言うのです。
日英の文化の違いを対比してみると、次のように言えると思います。
英米:肯定的
日本:否定的
これは文化の型として言えることです。なので日本人全員が否定的な考えではなく、そういった考え方の傾向が文化としてあるということです。英米も同じです。
英米のことばと文化を理解する上では、この「肯定的」という文化の型を覚えておくといいでしょう。