"some"のイメージ | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今回は基本的な単語である"some"を取り上げます。

"some books"を生徒に訳してもらうと、「いくつかの本」となります。これでもよさそうですが、"some"はそれほどはっきりしていません。この場合「数冊の本」の方がまだいいでしょう。

"some"のイメージは、「ぼやけた」です。
なので、日本語訳にしなくてもいい場合があります。

訳す場合でも「いくつか」では数がはっきりしているので、「いくらか」の方がいいと思います。でも日本語に訳す時に、いちいち「いくらかの~」としていると日本語らしくならないのが正直なところでしょう。

この「ぼやけた」というイメージが分かる例をいくつかあげましょう。

"some day"
「いつか」という意味ですが、はっきりしないイメージがここにはあります。特定できない将来の日を言っているのです。

"somebody"
「誰か」「ある人」という意味で、特定されていない、はっきりしない人のことをさします。

"something"
「何か」「あるもの」という意味で、具体的に指せないものに対して使います。ここでもはっきりしないイメージがあります。

"somewhat"
「やや」「いくぶん」という意味で、どのくらいかはっきりしない時に使います。


他にもありますが、これらの例から"some"は「はっきりしない」イメージがつかめるでしょう。

日本語訳の「いくつか」ではなく、このぼやけた「はっきりしない」イメージで物事をとらえられると、英語的な見方ができるでしょう。