"He is something of a poet." | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日も英文に出てきた表現を見たいと思います。

"He is something of a poet."です。

"poet"は「詩人」です。
"poem"が「詩」だから"poemer"で「詩人」という意味にはなりません。"poemer"は英語ではないので注意しましょう。

ポイントは"something"です。
これを「何か」と訳しては通じないでしょう。「彼は詩人の何かです」では、何か得体の知れない感じがします。

英語には"something of a ~"という言い方があります。一応ロングマン英英辞典(LDCE)を見てみましょう。

be something of a gardener/ an expert etc: to know a lot about something or to be very good at something

~に入る例として"gardener"や"expert"が入っていますが、大体の意味は、「何かについてたくさん知っていることや何かにとても得意なこと」といった内容です。

しかし英和辞典には「ちょっとした~」「かなりの~」とあり、英英辞典の意味とは違った「ちょっとした~」が入っています。

「ちょっとした詩人」と「かなりの詩人」ではかなり意味が違うと思います。

どちらが正しいのでしょうか?

正直どちらかが一方的に正しいとは言えないでしょう。
例文などを見ていると、「ちょっとした~」の方が多い気がしますが、両方の意味があるのでしょう。この表現が使われた文脈で判断していくしかないのかも知れません。

"something"とは具体的に表せない「何か」を表す時に使うので、「ちょっとした~」の方が"something"のイメージとつながると個人的には思います。


今回の"something of a ~"という表現で分かることは、意味がきつく固定されていないと言うことです。確かにある程度意味は決まっていますが、意味がかっちこちに決められていて、少しでも違う使い方をしたら意味が通じなくなることは少ないはずです。これは英語に限らずすべての言語にあてはまることでしょう。しかし大幅にルールを無視すると通じなくなるのは当たり前です。

英語を勉強している日本人の中には、単語には決まった意味がきつく固定されていると思っている人がいるかも知れませんが、実はそうではないと言うことを覚えておくといいでしょう。


予定では明日は「英語の世界観」は更新をお休みにしますが、過去のものを読んでくれるとうれしいです。休みの時以外でも歓迎です!