英語は小→大、日本語は大→小 | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

英語は小→大、日本語は大→小という文化の型がある。

最初に取り上げる例は名前である。
Michel Jordanは、Michelがfirst nameでJordanがfamily nameである。つまり英語では「名、姓」の順番である。
それに対し日本語は、夏目漱石だったら、夏目が姓、漱石が名のように「姓、名」の順番である。
個人である名より家族の姓の方が大きい単位なので、上に示した文化の型にあてはまるだろう。

次の例は年月日の示し方である。
米語では、15/9 2007のように小→大であるが、日本語は2007 9/15のように大→小である。

次の例は住所の書き方である。
英語では番地など小さい単位から州、国などと大きくなっていくのに対し、日本語では、都や県という大きな単位から、~市~町~マンション○○号と小さくなっていく。

他にも自己紹介などでもこの文化の型はあらわれる。
例えば日本のサラリーマンは、「株式会社○○、○○課の~(名前)です」などと言う。そのため所属している大きな単位からなかなか名前が出てこないことがある。それに対し英語では、映画など見ると分かるように、まず自分の名前を言ってからどこに勤めているかなどを言うケースが主であろう。

これらの違いは、個人と社会という関係ともつながってくる。英米ではまず個人があって、それからある集団に属している感があるだろう。それに対し日本ではまず集団があって、そのなかに個人が属している感があるだろう。

このような例から、英語は小→大、日本語は大→小という文化の型があることが分かるだろう。この視点から英語をみると更に理解できると思う。
しかしこれらは文化の型であって、それにあてはまらないものも中にはある。そのため文化というのは必ずそうなるという厳格なものでないことを一応覚えておいた方が良いだろう。