make A B | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

make A Bは、「AをBの状態にする」という意味であるが、使い方を見ると日本語にはない、英語的な発想があることが分かる。

(1)
He made her his wife.
I'll make you happy.

(1)の例文では、主語が人なので日本語でもこのような表現はあるが、
以下のような例文はどうだろうか。

(2)
The news made him sad.
Her letter made me happy.
His words made her angry.

(2)の例文では、主語がものになっている。このような表現は日本語的ではない。日本人は英語の意味は分かるが、日常的に「その手紙が私を幸せにした」などとは言わないだろう。文脈にもよるが、もし日本語らしくするならば「手紙を読んで嬉しくなった」などとなるでしょう。

下手な翻訳本などを読むと、日本語らしくない「その手紙が私を幸せにした」のような直訳が出てくるかも知れない。そのような訳本が読みにくいと感じれば、やはり主語がものであるmake A Bは、日本語的表現ではなく、英語的表現、発想と考えられるだろう。

逆に主語がものであるmake A Bをうまく使えれば、英語的発想ができていると考えられる。

make A Bという基本的な英語にも、英語的な発想、視点があると思われる。