お皿は? | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

お皿を英語で言うと"dish"と"plate"がすぐに思いつく。しかし"the main dish"とは言うが"the main plate"とは、聞いたことがない。この二つは何が違うのだろうか。
語源を調べてみると"dish"は、ギリシア語の「円板」からであり、"plate"は、ギリシア語の「平らなもの」からとある。意味の違いは、"dish"は盛りつける皿のことで、「大皿」などと訳され、一方"plate"は各自がとる「取り皿」などと訳されている。つまり日本語で「お皿」と言うものに対して、英語は"dish"と"plate"を分けて表現している、またそのように分けて認識していると考えられる。正に英語のものの見方である。

これは文化的な違いがあると考えられる。欧米では"dish"に盛られた料理を自分の"plate"に取るという形がある。それに対し、日本は現在欧米のスタイルになりつつあるが、旅館の宴会などの料理を想像してみると分かるように、膳料理なのである。

日本語では、「大皿」と「小皿」を"dish"と"plate"と言って分けられなくはないが、同じ「皿」ということばを使っているように、二つを分ける根本的なことばがないと考えられる。また分けなくても困らない文化なのかも知れない。

お皿一つに対しても、ことばによって認識の仕方が異なることが分かった。