東大合格で100万円? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

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ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

というニュースがあった。鹿児島県伊佐市が、市内の県立高校から難関大学に合格した者に100万円を支給する奨励金制度を発表したらしい。で、これが議論と。

難関大学に合格したら100万円あげます。違和感がある人も多いだろう。いや、僕もぱっと聞いたときは少し違和感があった。

だが、冷静に考えればこれはある程度まともな政策だと思う。

まあ、べたに言えば、「親が子供に今度のテストで90点以上取ったら…○○を買ってやる」と言ってつるようなもんだろう。今も昔も行われている古典的な手法である。もちろん、理想的にはそんなくだらない目の前の人参のために勉強をするということでは長続きはしない可能性が高い。また、結局、勤勉さを身に着けるというのが勉強の一つの目的とすれば「目の前の」金銭のための勉強が勤勉さにつながるかは微妙なところではあるが。

昔紹介したように思うが、メキシコかどこかでは学校のテストでいい点数がとれるとお金をもらえるというのをやっていてうまくいっているという話がある。

特に新興国や後進国では教育の重要性を国民が理解してない場合が多いから、そのようにお金を実際に挙げることで子供も親も勉強を熱心にするようになるというのはたしかに意味があることなんだと思う。

まあ合格したら100万が直接的過ぎたかもしれないが、おそらく田舎から難関大学に行くということは一人暮らしになるのだろうから、その多くのお金は生活費や学費に消えるわけで遊ぶ金を配るわけではない。住民の教育に対する意欲を刺激するためにも重要だし、まさに奨学金とほぼ同様の形で優秀な学生を支援していくということにもなるわけだ。

ただ、実際には難関大学に合格した人間は多分田舎には戻ってこない可能性が高いから、納税者との関係というのは難しいだろう。これが本当に納税者にとってメリットのある制度なのか。

また、いつも言うようにこの補助金は大学に行けない/行っていない人たち(多くの場合は高所得者ではないだろう)から有名大学に入りおそらく生涯所得が平均以上になるであろう人たちへの逆方向の所得再配分にもあたる。公平性の観点からは微妙な制度でもある。

まあ、本来はくだらない大学へのバラマキ(補助金)をやめて優秀な学生に直接、このような奨学金を配るほうがまだいいわけで、地方自治体ではなく国が行うべき政策なのかもしれないとは思っている。いずれにしてもこの100万円支給制度は現状を考えれば批判されるような悪い制度ではないと僕は思うのである。


※しばらく更新できずに申し訳ありませんでした。若干モチベーションが上がらない状況&少し忙しい感じです。しばらく更新の頻度が減るかもしれませんがよろしくお願いします。