安倍政権は賃上げを企業に要請、女性の活用に邁進、円安やバラマキ公共事業に力を入れている。どれも本当の意味で国民の幸せにつながっているとは思えないし効果があるとも思えないのが現状だ。先日はゆとり教育もびっくりの国家統制的な大学入試改革案まで出てきた。(参考→人物重視というアンフェア )
特に、このブログでもいつも書くように「女性の活用」にはご執心だ。活用と最初は言っていたくせにいつの間にか女性が活躍できる…などと表現を最近は変えているが最初に「活用」という失礼な言葉を使っていた事実は隠せないし、そこに彼らの国家社会主義的な考えがにじみ出ていることを忘れてはならないだろう。
なぜ女性の活用にご執心かと考えると
ひとつは女性がより労働を行うことによって経済成長が高まると彼らは考えているからだろう。この点に関しては僕は異論はない。しかし、放っておいても力仕事や体力重視の仕事は減っているので女性の労働者としての価値は過去に比べてはるかに上がっているし、専業主婦などという贅沢はもはや難しい時代だから女性が望むと望まざると女性はこれからより働かざるを得ないことは間違いない。
だから、女性の活用などといわなくても放っておいても女性はどんどん働くようになる。それを女性の活用などどいって政府が手とり足とりばらまいて援助します。あるいは援助することを企業に強制させますというのは全くもってナンセンスだし、ただ女性票を集めることが目的になっているとしか思えないのである。
先に二つ目の結論を言ってしまったが、女性の活用という合言葉のもとにお金をばらまくことでフェミニスト票、一般女性票を取り込むという目的があることは間違いなく、おそらく経済成長よりも安倍政権の真の目的はこちらだといえる。ここでも票を取るためにいくらでもばらまくというこの内閣、そして民主党化した自民党の姿がここにある。
また、女性の管理職への登用割合を企業に義務付けようとする政策も検討中らしい。しかし、そんなものは女性がより長く正社員という形で働くようになれば自然と増えていく。政府が口出しせずとも企業はバカじゃないので能力と経験に基づいて女性管理職を放っておいても増やしていくはずだ。
市場というものに対する理解が乏しいのもこの安倍内閣の特徴だ。
実際にこんな調査結果もあった。
女性新入社員の7割「管理職なりたくない」
日本生産性本部が今年度の企業の新入社員を対象に実施したアンケートで「管理職になりたくない」と答えた女性新入社員が72・8%に上った。
政府は2020年に指導的地位に占める女性割合を30%にする目標を掲げるが、若手女性社員の間では昇進に消極的な意識が強いことが示された。 (読売新聞より引用)
ということらしい。女性自身が管理職になることなど望んでいないのだ。
また、上記の記事内にあるように専門的な技能を身に着けたいという希望が女性の場合は多い。出産・子育てというイベントがある女性にとってみたら企業内でゼネラリストとして出世するよりも一度労働市場から退出しても復帰しやすくなるように専門性を身に着けておきたいというほうが正しい選択のように僕は思うのだがどうだろうか?
こういう調査結果が出てくるとおそらくこうなるのだろう。女性がもっと意欲的にならねばならない。女性教育を見直せ。女性がもっと積極的になるためにリーダーシップ教育に補助金を出そう。女性が働きやすくなるために女性の有給を奨励した企業に補助金を。女性の残業時間は2時間までに制限し達成した企業には補助金をと。
本末転倒。市場や経済のなんたるかを理解しない政策が出てくるのはいつものことだが、そのような政策がひとつひとつじわじわと日本の潜在成長率を押し下げ、財政を悪化させているかと思うと頭の痛い限りである。それだけならいいが政府のために国民を奉仕させ、国民がますます不幸になっている。これが残念ながら現状だ。