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実際にアメリカに住んだこともないし、アメリカの受験について詳しく学んだわけでもない。日本やアジアの国では受験戦争はものすごく大変だがアメリカのそれは結構楽だという。これは一般によく言われることであるし大体正しいようだ。
ではなぜアジアでは受験勉強がそれほど重要なのか？アメリカでは受験勉強がノンビリしている代わりに大学に入ってから懸命に勉強するのか？と疑問に思う人は多いのではないだろうか？
ちょうどシカゴ大学のベッカーのブログにも同じような内容が書いてあった。
Why Has Competition to Get into Top Colleges Become Much Tougher? Becker
もし、大学に入ることがシグナリング
にすぎないのであれば、大学に行くのは所詮は資格にすぎないとなり、大学で学ぶことはあまり意味がないということになる。これは実際に多くの職種に当てはまるだろう。大学で学んだことを直接的に活かせる仕事は少ない。であるならば日本の多くの大学生がそうであるように大学で勉強しないことは特に問題ではない。実際、日本の企業はそういった人材を中心に世界のトップクラスで活躍してきたわけだ。
アメリカの場合は大学でかなり大量に勉強をさせられる。一方で大学に入ること自体はそれほど難しくないとされるし、そうだったようだ。
日本のように同時に高校時代にたくさん勉強をして最低限の基礎的な学力を身につける一方で大学時代には様々な社会経験をすることで将来に備えるというのは決してダメな話ではない。日米でどちらを先にするかの順番が違うだけということだ。
繰り返しになるが、日本企業が世界で今でも十分戦っている姿や腐っても世界第３位の経済大国であること。また、ノーベル賞受賞の科学者を数多く輩出していることを考えるとやはり全ての大学生が大学で勉強をすることがそれほど意味があることかどいうかは疑問だろう。（税金がつぎ込まれているのだから勉強しないといけないという議論はここではおいておく）
大学というのは多くの人にとってはただのシグナリングにすぎないということともいえるし、大学生活時代における様々な社会経験こそが大学で学べることということとも言える。
一方で上記の記事内でベッカーはアメリカでも最近は高校生のときから必死に勉強する子供が増えているという。
大学に行くことでより所得があがる。そして、他の金融商品の投資リターンがより小さいものになっていく中で教育への投資が比較的リターンがよいということも関係しているのだろう。いい大学に入ることがアメリカでより大変なことになっているらしい。
大学がもしシグナリング（資格）としての効果しかもっていないのであれば、高校も勉強、大学も勉強。その結果として社会力の低下、心のゆとりの低下があるとしたらこれは実はアメリカ社会にとってはよくないことかもしれない。
どこかでいろんな経験をすべきだし心のゆとりを持てる時間を人間は持つべきだろうから。
教育熱を煽る政府や社会にも問題はあるだろうが･･･。一方で日本でも大学生はもっと勉強をしろという議論が高まっている。まあ、もう少し勉強したほうがいいのは事実だろうが、大学で勉強したことがどれほどに社会に出て役に立つかは大いに疑問だ。
もちろん、大学に入って勉強することが学生の能力を高め、生産性を高める効果はあるだろう。が、おそらく大学で勉強する内容は多くの場合は意味がなく、そこでディスカッションをしたり考え方を身につけることが意味があるというのが普通の考え方だろう。であるならば、それって大学で必ずしも身につける必要があること？と思うのは多くの人が感じるところではないだろうか？
勉強するのは悪いことでは全くないが、アメリカでも日本でももっと勉強しろという声ばかりが高まるのはどうかしているのではないだろうか？まだ高いリターンを誇っているとはいえ教育へのリターンは着実に下がっているだろうし、特に上位の学歴の人間と中位以下の学歴の人間の所得の乖離は広がっているはずだ。
学歴バブル・過度な教育熱はまだまだ過熱しいつかはじけるときが来るのだろう。
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