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とも呼べるような本を発見した。
面白いので買って読んでみた次第である。(もちろん、新刊ではなくて古本でかった)
野たれ死にするくらいならどんどん生活保護―実録マンガ!生活保護受給マニュアル
なんとも楽しくなってしまうタイトルではないか。
野垂れ死にするくらいなら「どんどん」生活保護。
なるほど。たしかに野垂れ死にされては困る。また、生活保護を受けると言っても全く何も知らなければ困るからこういったマニュアル本があることはある意味では必要かもしれない。
もちろん、本書を読めば生活保護っていうのが具体的にどういう手続きを経て受けられるのか?どういった人たちがその判定をするのか?などがよくわかる。
ただ、いろんなところに生活保護の問題点を全く無視し制度を利用(悪用とまではいえないが)することを進める記述がある。また、その根本にある考え方は権利ばかりを主張すればよいというものだ。また、海外のあり方に関する認識も何か間違えているだろう。
この本に書いてあることを真に受ける人が多ければ多いほど、日本という国はダメになることは間違いない。
たとえば・・・
「日本よりも格段にセーフティーネットが張り巡らされていて、それこそ働かないことを選択しても国民として生きていけるデンマークなど北欧諸国でも、・・・」
とある。いつの時代の話かは知らないが、以前紹介したようにむしろ北欧の諸国はそれほど弱者に甘くない。働くことを前提として社会福祉・就労支援のモデルがあるからだ。(参考記事→スウェーデンは本当に弱者に優しい国か?
)
生活保護をこれか受給しようという主人公が出てきてこういう。「どこにも仕事がない」と。本当だろうか?現実はそうではないという話はよく耳にする。。。
また筆者はこういう
「僕には生活保護は必要か?と自問するのは、愚の骨頂である」と
以前も書いた
ようにこの思考停止こそが国家を破綻させる。少なくとも福祉国家にシンパシーを抱くならばこの自問自答こそを求めるべきではないか?
また、当然ながら「扶養照会」には扶養できないと答えればよいとアドバイスしてくださっている。ありがたい本だ。そうすれば、扶養を役所は強要できないらしい。
また、地方議会議員や弁護士・民生委員などを生活保護申請するときの面接に連れて行けばいいというご丁寧なアドバイスもしてくださる。
そして極めつけがこの二つのフレーズだ。
一方で、生活保護の「被保護者」の立場をいったん手にすると、税金を財源として法律や役所にきちんと身分が守られ、正当な理由がなければ保護を不利益に変更されない。ある意味で安定した地位を得ることができる。
そもそも真面目に働いても、生活保護以下のプアになってしまう社会構造のほうが変なのだ。それに、真面目なものがバカを見るという錯覚した問題意識があるのなら、自ら積極的に生活保護を受けるべきなのだ。
開いた口がふさがらなかった。臆面もなく堂々とこうのような主張をする人が居ること自体が恥ずかしい。慶応大学の大学院の上席研究員の経歴もこの人はお持ちのようだ。さぞかし素晴らしい研究をされていたことだとう。
参考記事↓
生活保護たる制度の問題点
福祉国家が成り立つための条件
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