本質を無視した公務員批判 | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

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ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします


世の中には公務員批判が満ち溢れている。まあ、昔から公務員をスケープゴートにするというのはよくあることだろう。でも、多くのその批判はただの憂さ晴らしの域を出ないものであることが多い。また、多くの政党が述べる官僚批判・公務員制度改革も的を得てないただのポピュリズム的政策にしか見えない。

いわゆる「官僚」の所得水準はそれほどに高いのだろうか?民間企業の平均程度しかないというのが一般的な認識だろう。それでも、多すぎると思う人も多いかもしれない。

しかし、彼らは官僚にならなければ、外資系金融や商社・金融など30歳程度で1000万前後からそれ以上の給料をもらえる会社に就職していたような人々である。あるいは、弁護士や会計士になっていたかもしれない。そう考えると、今の官僚と呼ばれる人々の給与水準は高いのだろうか?個人的には「否」であるといわざるを得ない。

公務員の給与水準を批判する人はそれはそれでいいだろう。しかし、その給与水準を落とせば落とすほど、官僚になりたいと思う優秀な若者は減ることは間違いない。あるいは、現役の官僚でもまだまだ転職の余地が多い若手~中堅の部類は民間へ流出していく可能性は高いだろう。そういった可能性を認識しての批判なのか?それとも、ただただ、「平凡な人間」である自分と「エリート」(良くも悪くも)である彼らとの給与水準を単純に比較しての嫉妬に基づく愚痴なのか?が明確になっていない場合が多いように思う。

少なくとも官僚は5時帰りの地方公務員とはまったく違う存在である。また、退職金が数千万の給食のおばさんのエピソードがあるように官民の給与水準が大きい職種とはまったく違う。自分の身の回りの地方公務員しか見れていない人々が嫉妬に基づいて官僚を批判する姿は滑稽である。

そもそも能力の高い若者が官僚になる必要がないのだ。との批判もあるだろう。僕も多いに同意する。そういった人々はもっと民間においてその能力を発揮すべきだろう。しかし、その責は勉強不足の政治家に求められるべきだろう。あるいは、政党がシンクタンクなどを持っていないことに原因があるのかもしれない。我々の政治に対する献金が少なすぎるから、政党はそういったシンクタンクを持てず官僚がその役割を果たさねばならないともいえるはずだ。

あるいは、我々が政策についてあまり興味を示さないから。。。政治家が地元で自分の評判を高めることに注力し政策の勉強が少なくなり、結果として官僚に頼らざるを得なくなるのかもしれない。そうなると、当然、官僚により優秀な人材gあ求められる。

だから、官僚が諸悪の根源のように批判する我々・有権者や政治家にもその原因があるのは間違いないだろう。

まあ、いずれにしてもである。安易な官僚批判の多くは何を目指しているかをまったく示していない。より少ない官僚・公務員による「小さな政府」を目指しているのか?それとも官僚はもっと滅私奉公で頑張れという荒唐無稽な理想を目指しているのか。。。?それとも労働市場を柔軟化させ官民の交流を深めれば公務員の給料を上げずともよいと考えているのか?

たとえば、アメリカでは高級官僚が民間と行き来することに対する批判が強い。(たとえば、シカゴ大学のベッカーも批判している

重要なことはどんな組織も腐敗するということである。そして、民間と違い官には競争意識・収益意識もなければ倒産もない。自浄作用がもっとも働かない組織であるということだ。橋下氏や小泉元首相のような改革者・強権を行使できるリーダーが現れることもめったにない。

そもそも、大きくなりすぎた政府組織に問題がある。今、何かしらの改革が成し遂げられても、おそらく数年後には腐敗が始まるだろう。

だから、この問題に対する最も明快な答えは公務員の給料を下げろだとか、特権を奪えだとか矮小な問題を重要であるかのように叫ぶことではない。政府の組織を徹底的に小さくすると同時に地方分権の原則を推し進めることだ。

そうすれば、いかに官の組織といえどもよりリスク・リターンを意識せざるを得なくなるだろう。競争原理も今よりは持ち込まれる。

その結果として高級官吏のあり方もより市場を通した形で決まってくるだろう。もちろん、労働市場の一層の柔軟化は官民の交流を促進することでその給与水準を押し下げる(場合によっては押し上げる)ことで適正な水準へ近づけるだろう。

それだけのことだ。人々の嫉妬心を煽る形で官僚憎し・公務員憎しの政策を推し進めてもこの国の迷走は止まらないだろう。

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