民主党代表選挙が行われる。皆さんご存知のとおり明日投票が行われる。
小沢一郎という旧来型で日本を停滞に追い込む原因を作った田中角栄の系譜を継ぐ政治家がいまだにキャスティングボードを握り続けているというむなしさを感じるのは僕だけだろうか。総理を辞めれば政界から退くとほざいいていた鳩ぽっぽもいまだに影響力を多少は持っているようである。
若く清新でしがらみが少ないという民主党の数少ないよいところは彼らの存在で完全に打ち消されているといってもいいだろう。
政治というのは(ま、ビジネスの世界でもあるし世界中でそうであろうが。。。)、所詮そんなものなのかもしれないが、誰が小沢からの支持をもらうかが一番大切な論点であり、多くの人興味であろう。シンプルでわかりやすく居酒屋談義レベルの政治の話をするには一番面白いかもしれないが。。。そんなことでは何も変わらないのは言うまでもない。ま、世界中で政治というのはショー化している。一種のショーと思えばいいのかもしれない。
それ以上に問題なのは候補者の政策のトンチンカンさである。
なんとなく各種討論番組を見、今、U-streamで民主党の候補者討論会を見ていたが、「日本経済は危機的状況である」という誤った前提に基づいてすべての人が議論している。マーケットを見ていれば分かるが、今の注目は欧州と米国がこれから危機に陥るかどうか?リセッションに陥るかどうかであり、日本は震災の落ち込みからここから回復していくしかないという見方が標準的である。もし、日本にリスクがあるとすれば、海外発の要因であるとの見方が主流だ。国際感覚もマーケット感覚もないのがよくわかる。
よく、財政政策に対する批判で、財政政策が議論され導入されるころには景気後退は終わっているというのがあるが、まさにそっくりである。なんだか笑えてきて悲しくなったのは言うまでもない。
金融緩和・金融緩和と主張する候補者達。しかし、金融政策は日銀の専権事項である。もちろん、政府との協議・強調は必要であるが、政府が金融政策に干渉しないというのは(少なくとも表向きは)中央銀行の独立性を重視する現代においては常識である。そんな常識もこの候補者達にはない。
また、金融緩和と同程度の効果が得られる政策もある。たとえば、日銀に国債買い入れを強要しなくても、財務省が発行する国債の償還年限を短期化すれば長期金利を押し下げることができる可能性はある。(個人的には国債買い入れもこのような政策も金利を押し下げないと考えるが)すなわち、政治の責任でできることはあるのだが、おそらく経済オンチすぎてそういう手法もあると知らないのか、責任を日銀に押し付けたいからか、そのような政策を主張する候補者は居ない。
為替に関しても同様で、「断固たる決意で介入することもある」というようなことを主張する候補者もいたが。。。。そもそもいかに決意しようが為替マーケットを動かすのは容易ではない。
馬渕氏や前原氏は3年間はデフレ脱却期間と位置づけるなどと言っているが、そもそも「デフレ」の定義を分かっているのだろうか?物価の下落は単なる結果である。それを言うならば成長戦略を徹底して行い潜在成長率を引き上げるというべきであろう。いずれにしても、その方策は無意味で政治に責任によらない金融緩和や財政赤字の先送りというむなしい方策である。
海江田氏は円高をいかして資源・エネルギーの取得権を獲得とかわけの分からないことを言っている。前原氏は円を外貨に買えて海外の優良資産を買うという。
そんなことは政府の役割ではない。もし、失敗して多額の損失を出した場合には我々の税金を外国に差し出すことになるのである。もし、多くの人がその政策に同意するならば個人資産でそれを行っているはずだ。企業は同様の投資を行うだろう。なぜ、政府がそんなことを行う必要があるのか。。。ナンセンスとしかいいようがない。
まあ、他の候補の円高対策もナンセンスであるが。。。
また、各候補とも今は経済状況が許さないといって野田氏を除いては増税論議に踏み込もうとしない。増税が許されるかどうかは別としても、膨張する社会保障費とあわせて税の形をどうして行くのかという議論は必ず必要なはずだ。復興財源に関しても安易な国債発行に頼る声が大きい。しかし、その前に削れるものを削るチャンスであるはずなのにそういった主張はない。
いずれにしても、今後の国家のあり方に対する言及とその根本にあるはずの税のあり方、政府の規模、社会福祉のあり方のビッグ・ピクチャーを示す人は誰も居ない。目先の話ばかりである。
それ以上に情けないのは、成長戦略やTPP議論である、。TPPに関しては明確にやると応えた人はいない。前原氏は一応かなり前向きであるようだが、それでも明言したとはいえない。抵抗が多そうなこの政策。首相になる前にオレはやるといわずになんでこの政策を実行できるのだろうか?
成長戦略に関してはもっとお粗末である。残念ながら金融政策や財政政策が「仮に」重要であってもそれだけで経済の本質的な力を押し上げることはできない。それは世界の常識である。規制緩和・法人税の引き下げ・過剰な中小企業保護政策の縮小・過剰な福祉政策(生活保護など)の圧縮によってヒト・モノ・カネの経営資源の移動がスムーズに迅速に行われるようにしなければいけないのは言うまでもないはずである。
残念ながら、すべての候補者が経済オンチである。そのくせに今は経済の問題が一番大切だとの賜っている。正直、失笑するしかない。キャメロンは“Big society,Small Government”という明確な主張を打ち出して闘った。そういった明確なそして大きなピクチャーが誰にもない。かといって実務的にもセンスがない。自分達にセンスがないことを認めて政府の規模・権限の縮小をしてくれればいいのだが、官僚と日銀に責任転嫁をしているだけである。
まあ、別にいいのだが。。。なんか愚痴っぽくなってしまったが。。。本当に哀れな人たちだなと思わざるを得なかったのである。
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