なぜアメリカに住宅バブルが起こったのか? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

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ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

リーマンショックの原因といわれるアメリカの住宅バブル。

なぜ起こったのか?

市場の間違いだ!市場による過剰なリスクテイクが原因だ!という人は多い。しかし、いつも言っているがよく見ていくと原因はそれだけではないことがよくわかる。

政府による間違えた規制や市場への介入がこういった問題を引き起こしたことは容易に観察される。

今日はFT紙から。(Lessons gleaned from flawed mortgage risk assess

That historical data, though, was becoming increasingly skewed by federal policies. US regulators, like those overseas, allowed financial groups to make mortgage loans using less capital and more borrowed money than they required for other loans. Legislation and regulation encouraged mortgages for underserved borrowers. And, in 1992, the largest mortgage investors, Fannie Mae and Freddie Mac, were given “affordable housing goals” by Congress

米国の規制当局者は金融機関に住宅ローンにかかるリスクウェイトを低く設定することで他のローンに比べて住宅ローンへの貸し出しを有利な状況においてきた。さらに、1992年にファニーメイ・フレディマックは低所得者層への住宅ローンの貸し出しに関しての目標が議会によって設定された。(FT紙より)

具体的にどのような目標を課したかというと、2003年に課された目標では、中間以下の所得者層への貸し出しが全貸し出しの50%以上になるように。そして、下位から40%の所得層への貸し出しが20%以上に、さらに31%以上の貸し出しが貧困地域への貸し出しにするようにとの目標だったという。

当然、このような目標は本来は住宅ローンなど組めない人々への過剰な融資を巻き起こしたことは言うまでもない。

さらに、住宅ローンにかかるリスクウェイトを意図的に低くしたことは他のローンよりも銀行を住宅ローンへの貸し出しに傾倒させた。(もちろん、この裏でこのような恣意的な政策によって借り入れを認められなかった中小企業経営者などがいたことだろう)

その結果、住宅バブルはふくらみ、サブプライムショックという形で破裂を迎えた。

「強欲な金融機関を許してはならない」、「規制の強化が必須だ」と政治家やメディアは言う。しかし、住宅バブルの片棒を担いできたのは彼らである。

「貧しい人がもっと家を持てるようになんとかしましょう。」「政治が解決しましょう」「金融機関は住宅ローンを審査するときに差別するな!」そういう甘い声を発し続けたのはメディアであり多くの政治家である。

結局、金融機関は税金で救済された。政治家もメディアもたいした被害は受けていない。一番被害を受けたのは政治家や金融機関の甘い声に乗って安易に住宅ローンを借り住宅を購入してしまった低所得者層の人々であることは間違いない。

政府による温情主義に基づく市場への介入は実は一番弱い人たちを不幸にするのである。

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