後進国への海外援助というのは実は役に立たないというのも保守派や経済的右派の間では根強い意見。ただし、マスメディアはどうしても左派に支配されているのでなかなか表立つこともない。
偽善による施しが後進国の発展に役に立たないのは先進国において過剰な福祉がよくないのと同じだろう。
商業ベースのグラミン銀行の成功は施しではない市場原理に基づいた企業活動こそが貧困層が豊かになることに必要だということを改めて説明したようにも感じられる。
イギリスでは海外援助についてどのように捉えられているのか？
今日はイギリスの保守派の新聞テレグラフ紙のオピニオン欄から。いつもどおりまずは要約してみる。
http://blogs.telegraph.co.uk/news/peteroborne/100061337/overseas-aid-is-funding-human-rights-abuses/
海外援助は自動的に高潔だという現代の信念は政治に対する不信とセレブに対するカルトという二つの強力な起源を持つ。
最初にニューレーバーがこの分野では有利にたった。ブレア元首相はボノ （U2のﾎﾞｰｶる）の支持を得ることに成功しDFIDという組織を設立したのだ。
一方で保守党は海外援助に対して長らく懐疑的な見方を持っていたためにこの問題に対する対応で遅れをとった。海外への寄付とその国の発展には何の関係もないという信念を持っていたからだ。
しかし、キャメロンの登場とともに保守党は方向を転換し、ルワンダに学校を寄付した。もちろん、保守党をより中道よりの政党として有権者に印象付けるための戦略だ。
しかし、私は超党派での海外援助には危険性を感じる。
1999年には3400億円だった予算は2005年には8450億円になり、現在は1兆1000億円にのぼっている。すべての家計に4万2000円の負担がのしかかる。そして、厳しい緊縮財政の中でも今後4年で37％の増額（！）を勝ち取ったのだ。
しかし、エチオピアへの援助に関するレポートはこういった散在が意味のないものであることを明らかにしている。
実質一党支配のエチオピアにおいて与党は99.6％の得票を得た。与党への支持の見返りに英国が援助した資金や物資が使われていたことが明らかになっている。また、同様の事態はルワンダでも確認された。
しかし、イギリスのメディアはこの事実を黙殺して一切報じていない。
海外援助は先進国の貧困層から後進国の超富裕層への所得の移転にすぎないとかつてオズボーン財務相は述べたことがあった。今こそ、英国民はこのような海外援助が本当に正しいのか議論すべきときだろう。
イギリスといえば議論が闊達な国の印象があるが、それどもメディアは左翼的でこのような左派思想を信奉する人にとって不都合な事実には目をつぶるようだ。このことを報じ問題視しているのはこのテレグラフ紙だけらしい。
しかし、海外援助などをして偽善ぶるセレブや元政治家の行動を見ていると本当にあほかと思いたくなる。ま、彼らは自分で稼いだり集めた金でやっているんだから、別にいいんだけど。自分のイメージをあげようという戦略が見えて気持ち悪い。
日本人は海外援助に否定的な人も多い国民とも言われる。そりゃそうだ。ケチとかじゃなくてそんな施しで後進国が発展すると思っていたら大間違いだ。施しでは何にもならない。それは必死な思いで欧米にキャッチアップした日本人が一番わかっているからだろう。
もちろん、日本はODAなどを通してある程度しっかり資金を回収しながら、将来につながるインフラ建設などをやってきたという点は評価できるかもしれないが（素人意見。詳しくは知らない・・・）、それでも政治家や建設業者と現地の政治家の癒着などの問題も大きいだろう。
そういった開発のために作られた国際機関や偽善組織に官僚が大量に天下っておいしい思いをしているのも許されるべきではない。まあ、そういった国際機関が存在する以上は日本の国際的地位を保つために参加せざるをえないのだろうが・・・。
そんなことをやるくらいだったら日本は農産物の輸入を完全に開放してあげればいい。そうすれば後進国にとっていい輸出先になるんじゃないだろうか？そういうのが本当の援助というんじゃないだろうか？まさか農産物すら作れないし輸出もできないといわれたら・・・。うーーん。どうやってそういう国は発展するんだろうか・・・。
ま、まったくだめとは言わないが、偽善と利権と結局お金をどぶに捨てるに等しい安易な海外援助には僕も反対だ。
そういや・・・。債権放棄させられたっけ・・・。アフリカの。
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