子供手当て? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

 民主党の目玉政策のひとつ子供手当て。すでに各所で大きな批判を呼んでいるようだ。

 個人的には二つの問題点を提起したい。①なぜ子供手当て(給付金というばら撒き)なのか②人口が増えることで本当に日本の問題は解決されるのか?


 まず、①からですが。麻生首相の定額給付金も個人的にはひどいものだと思ってます。その定額給付をばら撒きと批判しながら同じばら撒きを今度は増税してまでやろうとしている民主党の了見とはいかなるものか?まず、シンプルにこの子供手当てが本当に子供のために使われるのか?という疑問がある。親の遊ぶ金に消えるのではないか?なぜ、給食費無料とか保育所を作る(そのことによって雇用も創出されるはず)といった政策ではだめなのか?そして、子供のいない家庭が増税になるという。子供を生む自由、結婚しない自由は踏みにじられるのか?

 イギリスではこんな話を聞く。イギリスにも子供手当てのようなものがあるらしいのだが、貧しい両親が子供手当て目当てで子供を作りそのお金を生活費にあてているとか。

 ばら撒き(財政出動)では日本の成長力を再び高められないことは明白である(この話はずれてくるのでまた今度)。そういった中での子供手当て給付。いかにも選挙目当ての短絡的政策である気がしてならない。

 

 そして②である。人口が増えれば本当に日本の問題は解決されるのだろうか?ソローの成長モデルによると労働力人口の増加と資本蓄積が成長を促すという。ただ、実際には資本蓄積と労働力人口の成長によって説明できる部分は2割しかないという。残りの部分はイノベーションなどによって説明できるというのが最近の研究らしい。

 人口が増えれば経済成長する。たしかに直感的に理解しやすい。でもそれだけで本当に説明できるのか?http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E5%A2%97%E5%8A%A0%E7%8E%87%E9%A0%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88

 国別人口増加率である。実際の経済成長とイメージどうだろうか?中国が153位。ブラジルが133位インドが97位。アメリカは137位。ドイツなどは日本以下である。もちろん、労働力人口ではないが、これだけみてもシンプルに必ずしもイコールではないことがイメージされる。

 まして、人口が増えたからといって全員が雇用されるわけでもないだろう。それに一人当たりのGDPや所得という方がより大切なのではないだろうか。

 人口が再び増えれば日本は成長力を取り戻すという議論は耳に心地よく理解しやすい誤解にかられる。なんせ子供を生めばいいのだからある意味簡単だ。しかし本当にそうなのか?をもう一回考えなければならないだろう。あたかもそれがコンセンサスのようにマスコミは扱うが僕のような素人が単純に考えただけでもそこには疑問の余地が多い。民主党はそこのところもしっかりと説明すべきだ。(もちろん、自民・公明にも子育て支援はマニフェストに含まれるのであろうから説明を求める。安心・安全といってばら撒いてわれわれ以降の世代に付けを回すのだけはご勘弁願いたい)