【改訂】作業環境測定士と関数電卓 | Engineer’s Laboratory

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私のブログの中でアクセス数が多いのが「作業環境測定士と関数電卓」の記事です。
 
若干見ずらい感じがしたので、少し訂正をしてみました。登録講習を受講予定の方に参考になればと思います。
 
 
 
 
みなさん、測定士の試験に合格して、登録講習で関数電卓を使うことを知って、焦っておられるのではないだろうか?
 
私も焦りました💦
 
関数電卓は持ってるし、使ってるけど、測定士の計算は通常使わない計算方法なので、迷います。
 
 
測定機関の方々は報告書のフォーマットがあり、専用のソフトに測定結果の数値を入力するだけで自動計算してくれますので、そんな計算式や関数電卓なんて使っていません・・・。
 
 
とは言っても、第二種作業環境測定士の登録講習をパスしなければ、測定士にはなれません、勿論第一種にもなれません。
 
 
 
どんな計算をするかと言うと・・・
 
『幾何平均』『幾何標準偏差』
 
を求めます。
 
統計計算の一つなのですが、私も学生の時に習ったような気もしなくもないのですが・・・。
 
ここでは対数とかlogが出てきますが、その理由については割愛致します💧
 
 
 
 
 
 
 
関数電卓での計算方法をいろいろネットで調べたりしたのですが、いまいち分かりませんでした。
 
仕方なく、取扱説明書をメーカーHPからダウンロードしましたが、幾何平均とか幾何標準偏差なんて項目は見当たりません。
 
頑張ってみるしかないですね。
 
今度講習を受講するように予約しちゃったので、勉強しとかないといけない状況に追い込まれたのが真実ですけどね。
 
 
 
 
さて、私が仕事で愛用している電卓はこれです。
 
 
 
 
手頃な価格の関数電卓です。
 

 

 

 

 

 

取説と幾何平均、幾何標準偏差のことを調べながら計算方法を探っていると、答えが出ました!
 
忘れないようにここに綴っておきます。
 
 
 
 
 
 
ここからは例題を参考にこの関数電卓での計算方法をまとめます。
 

 


 

まずは電源を入れ、通常の四則計算モードからの切り替えです。

 
一番上段にある「MENU」ボタンを押します。
 
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画面右上のグラフ表示されてるものが統計計算モードです。
 
矢印で選択するか、数字の「4」を入力すると切り替わります。
 
統計計算が出来なければ話になりません💦
 
 
次にどういう計算をするか選択します。
 
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「1:1変数統計」を選択します。

 

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見たことない画面が現れたことでしょうが、データ入力画面です。
 
ここに数値を入力していきます。
 
さて、問題です。
 
 次のデータの幾何平均を求めなさい。
  23、30、34、14、11、18
 
さて、画面のXの部分にデータを入力すれば良いのですが、そのまま入力してはいけません。
 
幾何平均なので、常用対数にします。
 
って何のこっちゃ?って思いますが、取りあえず電卓の「log」ボタンを押し、1個目のデータ「23」を入れましょう。
 
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そして「=」を押すと・・・
 
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Xの1番目に 1.3617 という数値が入りました。
 
同様に、他の数値もLogを付けて入力していきましょう。
 
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全てのデータを入力出来たら、一度「AC」を押して、入力画面からエスケープします。
 
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ここからは入力したデータを元に答えを導き出します。
 
「OPTN]を押します。
 
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「↓」を押します。
 
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「2:平均/分散/標準偏差・・・」を選択します。

 

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これらの記号が何を表しているか分かれば良いのですが、数学をちゃんと勉強していたらと少し後悔です。
 
作業環境測定士で使うのは
 1:x に  ̄ が付いたもの
 5:sx
 6:n
この3つです。
 
1は平均、5は標準偏差、6はデータの個数を意味しています。
 
さて、幾何平均の求め方に戻ります。
 
平均「1」を選択します。
 
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「=」を押します。
 
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平均値が出ましたが、これは幾何平均ではなく、常用対数の平均・・・
 
この数値を真数に変換することで幾何平均を求められます。
 
簡単に言うと真数にするとはlogの逆をやるということです。
 
関数電卓の最上段左のSHIFTを押し、「log」を押します。

 

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先ほど求めた答えをここに入れますが、1.302186872 なんて入力する必要はありません。
 
最下段の「Ans」を押します。
 
今求めた答えを代入出来ちゃいます!
 
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「=」を押しましょう。
 
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出ました!これが幾何平均の答えです!
 
計算結果はデータの桁や小数点などを揃える必要があるのでご注意を!
 

 
次に幾何標準偏差を求めます。
 
データは先ほど入力しているのでそのまま計算を継続出来ます。
 
「OPTN」+「↓」+「2」
 
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この画面に戻って来れます。
 
標準偏差「5」を選択し「=」を押すと
 
イメージ 17
 
 0.1904158253
 
勘が良い方はこれが答えじゃないってお気づきかもしれません。
 
そう! これも真数に変換する必要があります。
 
やり方は幾何平均と同じで、
 
SHIFT+「log」+「Ans」+「=」
 
と入力すれば
 
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幾何標準偏差の答えが出ました!
 
使い方さえ分かればそれほど難しいものではないです。
 

 
そしてここで、元のデータを何個使ったか分からなくなった場合は
 
「OPTN」+「↓」+「2」+「6」+「=」
 
と入力すれば
 
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すぐに分かります。
 
関数電卓は他のメーカーからも発売されていますが、私はCASIOを学生の時から使っていたのでそのまま継続しています。
 
関数電卓はそれぞれ違うのですが、やってることは同じです。
 
幾何平均や幾何標準偏差を自動でやってくれるものは無いように思います。高いものはあるかも・・・
 
取説などはネットで入手可能だと思いますので、まず調べることは
 
 ①常用対数にする方法
 
 ②平均、標準偏差の方法
 
 ③真数への変換方法
 
を探すことです。
 
それが分かれば何とかなるのではないでしょうか?
 
 
もし、他の関数電卓で使い方が分からないって方は、測定士になるという節目として関数電卓を慎重してもいいのではないでしょうか?
 
 
マニアックな資格ですが、世の中の流れで「作業環境測定」の仕事はなくなることはないでしょう。
 
また、他の資格を取得する際にも有利になることもあります。
 
例えば、衛生工学衛生管理者、労働衛生コンサルタントなどの上位資格への挑戦権や一部免除も得られたりします。
 
登録講習を受けられる予定の方は頑張ってください。