気づいてみれば、またしても「英語学習」テーマの記事を長らく投稿していませんでした
なので久しぶりになってしまいますが、ひとつ英語学習テーマの記事を投稿したいと思います。
今日投稿したいテーマは「英語を長時間聞き流す」という類のトレーニングは、本当に役に立つのかどうか、という話です。
実は私、日本に住んでいた頃も含めて、20年以上もこの手のトレーニングを続けてきました
通勤時間中にずっと英語学習の本の付録CDなどをかけっぱなしにするのはもちろん、家にいるときも、まるでBGMを流すように英会話をかけっぱなしにしてきました。
さてそれで、効果はあったのか? ということですが、
結論から言うと、ただBGMのように英会話を流しているだけではほとんど効果はなかった、ということです
もう少し言うと、その流している英会話にしっかり意識を向けて聞いているのならば意味があると思いますが、、
意識がほかの所に向いている場合 - 例えば日本語の漫画を読みながら 耳では英会話を流している、みたいな状態ではほとんど効果はなかった というのが私の結論です。
ということで、意識をしっかり向けながら聞いているという前提で、もう少し掘り下げてみたいと思います。
経験上、聞き流しトレーニングの王道は、3段階に分けて行うことだと思います。
第1段階 - そもそも英語が全く耳に残らない、知っている単語だけだとしても全く聞こえてこない場合
私もそういうレベルからのスタートでしたが、ノイズを聞いているのと大して変わらないくらい英語が聞き取れないレベルの場合、
まずは、意味が分からなくてもいいので、とりあえず知っている単語が聞こえてくるレベルにするのが第一かと思います。
私がやってみて効果があったトレーニング方法は、
同じフレーズ、同じパラグラフ(段落)を、何十回も何百回も繰り返して聞いて、(意味が分からなくても)その音を復唱できてしまうくらいまで聞き続ける
というものでした。
注意しなければならないのは、決してテキストブックを見ない、つまり会話内容を文字で見ない ということです。
テキストブックを見ながら 対応する音を聞くと、分かったような気分になってしまうものだと思いますが(実は音としては全然認識できていないにもかかわらず)、
経験上この方法を根気よく続けても、実践ではほぼ役に立たないと思います。
(残念ながら、我々の時代の中高学校での英語教育は、上記のような学習方法だったと思います。)
・・話している内容がわからないとすっきりしませんが、とにかく音として英語を聞くことができる耳を作るのが第1段階になると思います。
第1段階のゴールは、大きく言うと、「英語耳を作ること」だと思います。
第2段階 - 音としては聞き取れているけれど、意味が全然入ってこない場合
とりあえず、すべて知っている単語・表現だけで話されている会話を聞いている、という前提で、
音としてはしっかりと、話されている単語が認識できるようになったのに、文章全体としての意味が全然把握できない、という悩みを抱えていた時期が 私にはありました
これは、英語を英語のまま理解する脳になっていない場合に起きる現象だと思います。
思えば私は学生時代、聞いた英語を脳内で日本語に訳そうとしていました。
英文を読む時も、やはり脳内で日本語に訳しながら読もうとしていたので、リスニングも同様に脳内で訳そうとしていたのです。
※そもそも 我々の世代の学校教育では、そういう方法で英語を理解するように指導されていたと思います。
しかし、経験上、それをやっている限りいつまでたっても英語を聞いて理解できるようにはならないと思います。
なぜなら英語と日本語では、ご存じのように語順が異なりますし(例えば動詞の後にその目的語を置くなど)、話の展開の仕方なども異なるため、訳すのは至難の業ですし、ましてや実際の会話中やリスニング中にそれをやるのは非現実的だと思います。
したがって、現実に英語を聞いて理解できるようになるためには、英語を英語のまま理解するトレーニングが必須だと思います。
これがここで言う 第2段階です。
・・敷居が高い、と思われるかも知れませんが、というか私も「英語を英語のまま理解するなんて無理っす!」と昔はずっと思っていましたが、
日本語のような難しい言語をマスターできた我々は、100%それができるようになれると思います
さて、これを達成するための効果的なトレーニング方法として、体験上最も有益だったと思う方法は、
「超簡単な英会話やスピーチ - 自分が知っているレベルの語彙だけで話されているもの を繰り返し聞く」というものです。
ここで重要なのは、見栄を張って「ニュースの英会話」みたいな難しい教材を選ばないことだと思います
プライドを捨てて、何ならアメリカの幼児向けのおはなしみたいなものを聞き続けるのが 効果があると思います。
ちなみにアメリカネイティブの幼児向けのおはなしは、なめてかかったら大変ですよ
・・ということで、第2段階のゴールを大きく言うと「英語脳を作ること」だと思います。
第3段階 - 教則本についているCDなどなら聞き取れるが、実際のネイティブの会話が聞き取れない場合
おそらくそれは、現実の会話の場合
1. 省略が非常に多い
2. 正確な文法としては正しくない表現も結構使っている
3. スラングが混じる
といったことが多いからではないかと思います。
教則本のCDなどは 正しい文法、正しい表現法で話されている場合が多いので 分かりやすいのですが、
実際の会話はそんなにきれいではないので、わけが分からなくなってしまう・・
私の場合、特に困ったのが、仕事の話ならば理解できるようになったのに、ランチの時にみんなが喋っている雑談が理解できなかった、ということです
雑談の話は、くだけていますからね。。
これを克服するために必要なのは、おそらく「英語の語感を体に染みこませる」ことかと思います。
話がくだけていても、文法的に少々おかしくても、絶対にはずせない部分というのが話し言葉の文中にはあると思いますが、
ネイティブの会話はその絶対にはずせない部分だけを口にして(しかも省略されまくりだったり 文法的に少々おかしいかも知れません)、それ以外の部分は聞き手が勝手に察することを前提にしている場合が多くあると思います。
そのくだけた「絶対にはずせない部分」を理解するために、英語の語感を持っている必要があるかと思います。
さて、これの克服方法は2つの要素があると思います。
1つは、語彙を増やすことです。
ネイティブがよく使う語彙、知らなければ例え聞き取れても分からないと思いますので、ある程度まで語彙を増やす必要があると思います。
(例えば、put down は 手付金を払う みたいな意味がありますが、知らなければそんなの分かりませんよね)
もう1つは、現実のネイティブの会話を沢山聞くことだと思います。
今の時代、Youtubeなどを使ってネイティブの会話を無料でいくらでも聞けると思います。
何か自分の興味のある分野について語ったり話し合ったりしている動画がきっとあると思いますので、そういうものを何度も何度も聞き流すのがいいかと思います。
・・偉そうに解説してしまいましたが、私自身、まだ学習中の身です。
ただそれでも、上記のトレーニングを続けることで、昔はノイズとほぼ同じようにしか聞こえなかったネイティブの英語が、今ではアメリカで仕事・生活できるレベルで聞き取れるように とりあえずなりましたので、効果はあると思います。