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http://www.ibm.com/jp/developerworks/kaburobo/0512intro.html

セールスフォース、サービスがほぼ終日停止--Webサービスの弱点露呈


 Salesforce.comのサービスが米国時間20日、ほぼ終日にわたり停止し、顧客企業の多くが重要な業務データにアクセスできないという事態に見舞われた。同社としては、おそらく過去最悪のサービス障害となった。

 Salesforceは、企業が使う顧客情報を保管し、インターネット経由でデータを「オンデマンド」提供する。そのデータへのアクセスが出来なくなったことで、年末休暇前の重要な時期に、一部の同社顧客で営業活動やカスタマーサービス活動に支障をきたした。

 「不便なだけではなく、商機も逃している」とMission Research(本社:ペンシルバニア州ランカスター)の最高経営責任者(CEO)Charlie Crystleは言う。「1年で多忙な時期なのに」(Crystle)

 Salesforce広報担当者のBruce Francisは、同社顧客1万8700社のうち、何社が今回のサービス停止で影響を受けたかは不明だと述べた。サービスが停止したのは太平洋標準時間(PST)の午前6時半頃で、原因はデータベース障害だという。同障害は午後2時頃までには修復されたとFrancisは付け加えた。

 Francisは、影響を受けた顧客に対して謝罪するとともに、「事態をとても深刻に受け止めている」と述べた。

 問題は広がりを見せている。被害にあった顧客の苦情が、複数のブログを含むウェブ上で見られた。

 Salesforceは「稼働率」99%以上をうたっており、サービス停止は「めったに起こらない」とFrancisは言う。同氏の説明では、Salesforceのシステムは、一般的に稼働される同種のシステムに比べ、信頼性は同等もしくはより高くなっているという。

 一方、今回の障害についてCNET News.comに連絡をしてきた一部顧客は、Salesforceのサービス停止は予想以上の頻度で発生していると語っている。Mission Researchでは、ほぼ1カ月に1度の頻度でサービス停止を経験しており、それが通常1時間近く続くとCrystleは述べている。また、米東海岸のあるコンサルティング会社は2005年に入ってから5~6回も被害にあっていると、同社のバイスプレジデントが匿名を前提に語った。Salesforceへの不満は高まりつつある。


この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ


JBossが日本OSS推進フォーラムの指摘に応え性能を大幅に改善

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図1●スループットの向上 赤が旧版であるJBoss4.0.2,青が最新バージョンJBoss4.0.3sp1とJBossCache1.2.4,JGroups2.2.9RC1によるベンチマーク結果。ともにサーバー間のデータ複製を同期で行う設定
[画像のクリックで拡大表示]
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図2●ベンチマークのシステム構成(「Javaアプリケーション層の評価」報告書 図 1.4-1 チェックリスト項目図)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本OSS推進フォーラム 開発基盤ワーキンググループは12月22日,オープンソースのJavaアプリケーション・サーバーJBossのベンチマーク結果を公開した。同ワーキンググループが11月に公開したベンチマーク結果に比べ3倍以上の著しい性能向上が見られた。

 11月に公開した報告書では,その時点で最新版であるJBoss 4.0.2を用いたベンチマークで,クラスタリング構成の際に高負荷時にJBossのセッション同期機構を使用すると性能が得られないなどの問題が指摘されていた。

 JBoss開発コミュニティおよびその主要開発者が設立した企業である米JBossは,この指摘を重視。新しいバージョンでは指摘された問題に対する改善を行った。11月末にはJBossの技術者であるBen Wang氏が来日し,日本OSS推進フォーラムと共同で再ベンチマークを実施した。その結果,サーバー間でデータを同期複製する場合,最新バージョンJBoss4.0.3sp1にJBossCache1.2.4,JGroups2.2.9RC1を組み合わせた構成で,250クライアント時のスループットで3.15倍と大幅に向上したベンチマーク結果が得られた。

 この,JBoss4.0.3sp1での最新ベンチマーク結果は,Tomcatでクラスタリングを行った際の性能とほぼ同じ。ただしTomcatのクラスタリング方式では,複数のサーバー間でデータを複製する際,障害が発生するタイミングによっては,あるサーバーにはデータが複製されたが,あるサーバーにはデータが複製されていないといった,サーバー間でのデータ不整合が発生する可能性がある。JBossの場合,データがすべてのサーバーに複製される前に障害が発生すると,更新がキャンセルされ不整合が発生しないといったメリットがある。

 また,日本OSS推進フォーラムは3ノード以上のクラスタ構成で,障害が発生した場合にフェイルオーバー先のノードへの経路の切り替えが正しく行われないという問題を発見し,パッチを作成している。このパッチはJBoss4.0.3 FinalでJBoss本体に取り込まれた。

 さらに日本OSS推進フォーラムではJBossクラスタの運用中に1ノードが障害停止するとクラスタ全体の性能が低下し処理を続行できなくなる問題も確認している。この問題については「共同ベンチマーク中に再現試験を行い,バグの詳細を調査,解決の糸口をつかんだ」(日本OSS推進フォーラム)。修正内容は今後リリースされるJBoss 4.0.3SP2で適用される予定という。

 JBossの検証は,独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)と日本OSS推進フォーラムが協力し2005 年度上期OSS 活用基盤整備事業「OSS性能・信頼性評価/障害解析ツール開発」として実施していたもの(関連記事 )。日立製作所,NTTデータなど11社が共同で行った。

◎関連資料
「Javaアプリケーション層 JBossクラスタ再ベンチマーク」報告書(PDF)
2005 年度上期OSS 活用基盤整備事業「OSS 性能・信頼性評価/障害解析ツールの開発」「Javaアプリケーション層の評価」報告書(PDF)
日本OSS推進フォーラム 開発基盤ワーキンググループ

(高橋 信頼=ITPro)

EJB 3.0、策定へ最終調整のステージへ - JSR 220 Enterprise JavaB

Java Community Process, EJB 3.0 Expert Groupは21日(米国時間)、「JSR 220: Enterprise JavaBeans, Version 3.0」 のファイナルドラフトを公開した。スペックリードはSun Microsystems, Linda DeMichiel氏およびOracle Corporation, Michael Keith氏。JSR 220はProposed Final Draftのステージに入り、策定へ向けた最終調整が行われる。

公開されているファイナルドラフトは次のとおり。

JSR 220: Enterprise JavaBeans, Version 3.0 - Proposed Final Draft

  • EJB Core Contracts and Requirements
  • Java Persistence API
  • EJB 3.0 Simplefied API

EJB Core Contracts and RequirementsではEJB(Enterprise JavaBeans) 3.0のアーキテクチャに関する仕様がまとめられている。EJB 3.0はコンポーネントベースのビジネスアプリケーションを開発するおよびデプロイするためのアーキテクチャ。

Java Persistence APIではJava EEやJava SEにおけるオブジェクト-リレーショナルマッピングやパーシステントの管理に関するAPIであるJava Persistence APIに関する仕様がまとめられている。EJB 3.0 Simplefied APIではEJB 3.0ともに登場するSimplefied APIの仕様についてまとめている。

EJB 3.0は次期EJBで、その実装は2006年春に登場が見込まれているJava EE 5にも含まれる予定。

Java 5でシームレスにアスペクトを実現 - AspectJ 5 公開

Eclipse.org, The AspectJ projectは20日(米国時間)、AspectJの最新版となるAspectJ 5 - AspectJ Version 1.5.0を公開した。AspectJ 5はCommon Public License version 1.0のもとでオープンソースソフトウェアとして公開されているアスペクト指向拡張。Javaに対してシームレスにアスペクト指向プログラミング環境を提供する。

AspectJ 5における新機能はいくつもあるが、なかでも代表的な変更は次のとおり。

アノテーション、Generic、Autoboxing/Unboxing、拡張for構文、列挙型などJava 5で導入された新しい言語機能などを含んだJava 5機能のサポート
Java 5にて導入されたGenericを使ったGeneric Aspectのサポート。Genericを使ってアブストラクトAspectが定義できるように拡張
Java 5にて導入されたアノテーションを使ったアソシエーションをジョイントポイントとして抽出するように機能を拡張。アノテーションを従来のジョイントポイントと同様に使うことができる
特記すべきは、AspectJ 5においてアノテーションを使ったアスペクトがサポートされた点にある。Java 5以前の環境ではアノテーションが提供されていなかったため、いくつかの方法を使ってアスペクトを実現する必要があった。Java 5からは言語の機能としてアノテーションが提供されるようになったため、AspectJ 5ではこの新しい機能を使ってアスペクトを実現させている。

また同日、AspectJ 5を使って動作するAspectJ Development Tools (AJDT) 1.3 for Eclipse 3.1も公開されている。AJDT 1.3はEclipseで動作するプラグイン。EclipseにおけるAspectJ 5を使った開発を支援する。

アスペクト指向は従来のプログラミング手法を補助する方法論のひとつとして最近注目されている。アスペクト指向に従って横断的な機能追加を行う方法は、本来目的としている処理を記述したソースコードはそのままに新しく機能を追加することができ、複雑さを軽減するものとして期待されている。

AspectJはJavaに対してアスペクト指向を実現するための代表的なアプリケーションのひとつ。AspectJ 5からJava 5で導入されたアノテーションの機能を使用するようになり、より自然にアスペクトを実現できるようになった。

関連ページ
The AspectJ project
http://eclipse.org/aspectj/

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シンプルなSIPアプリケーションの構築 -前編-

「JAIN SIP」は、通話制御プロトコルの1つであるSIPを扱うためのJava APIで、JavaでVoIPアプリケーションを作成するJavaテクノロジーとして期待されています。一方、「JSLEE」は、SIPアプリケーションを実装するためのミドルウェアであり実行環境です。ともに次世代コミュニケーションシステムをJavaで構築するための標準としてJCPで策定されており、その実装が登場しています。

 本稿では、Open Cloud社が提供するフリーのJSLEE環境を使い、JavaベースのSIPアプリケーションを実際に構築してみます。

SIPを身近なものにするJAIN SIP

 最近、SIPというキーワードがJava業界からも聞こえるようになってきました。SIPは、VoIPの普及とともに、その一端を担う技術として進化を続けてきましたが、ここに来てようやくさまざまな製品の中に組み入れられるようになってきました。皆さんも「SIPフォン」という言葉を聞く機会が増えたのではないでしょうか。

■JAIN SIP実装製品が登場している

 例えば、日本BEAシステムズは、2005年10月、通信業界に向けた同社のIPマルチメディア・アプリケーションサーバ・ソフトウェアの新バージョン、「BEA WebLogic SIP Server 2.1」を発表しています。同社はこの製品をJ2EE、SIP(Session Initiation Protocol)、IMS(IP Multimedia Subsystem)を統合的に提供する業界初のアプリケーションサーバと説明し、IP電話からマルチメディアのチャット、ビデオ会議、プッシュトーク、ネットワークゲームなど、さまざまなSIPによるアプリケーションを携帯電話やPDA、PCなどに提供していきたいといっています。

 このように、これまで非常にプロプラエタリな技術で実現されることが多かったコミュニケーションアプリケーションが、VoIP、SIPの普及やそのプロトコルを扱うJAIN SIPの充実、実装製品のリリースによってJava開発者にとって身近なものになってきました。

■JAIN SIPの概要

 JAIN SIPは、JSR32として策定されたSIPメッセージの送受信やメッセージの生成などをJavaで行うためのAPIです。ほかにも、SIPアプリケーションをServletライクに構築するためのSIP Servlet(JSR116)、携帯端末でJ2MEとともにSIPメッセージを扱うためのSIP for J2ME(JSR180)などがあります。Java開発者はこれらを用いることで、容易にSIPアプリケーションを構築することができます。

 なお、SIPそのものについては「DNS Tips:SIPとは何ですか? 」(Master of IP Network)を参照してください。

JSLEE製品の試行も始まる

 一方、JSLEEは、SIPアプリケーションをはじめとするビジネスロジックを実装するためのAPI群であり、実行環境です。JSLEEは、JAINSLEE.ORG に紹介されているように、ヨーロッパを中心にトライアルが数多く行われ、その優位性が立証されています。

 JSLEEはSIP環境だけにとどまらず、公衆回線網や無線網上のプロトコル、アプリケーションを吸収できる環境であり、今後さまざまなコミュニケーションアプリケーションが横断的に統合するためには欠かせない環境として期待されています。実は前述のSIP Servletも、JSLEEとともにアプリケーションの開発、実行環境です。これらのどちらを選択するかは、構築するアプリケーションに依存します(SIP ServletとJSLEEの詳細については、「次世代コミュニケーションを担うJAIN 」を参照してください)。

 日本での取り組みの現状は、いくつかのキャリアでトライアルが行われているようです。例えば、NTTデータが2005年6月にサンフランシスコで開催されたJavaOneにおいてJSLEEをベース(Open Cloud社 Rhinoを使用)としたアプリケーションのデモを行いました。その詳細は同社のニュースリリース「Open Cloud社との共同研究を実施 」に詳しく紹介されています。

 このようにJSLEEやJAIN SIP、SIP Servletは、OpenCloud(JSLEE)やBEA(SIP Servlet)をはじめとする企業が実装製品をリリースし、世界各地でトライアルが行われ、いよいよ実サービス基盤として使われつつあります。そこで本稿では、JSLEE(JSR22、JSR240)の仕様策定リーダーでもあり、実装製品を提供するOpen Cloud社のフリーダウンロード試用版を用い、コミュニケーションアプリケーションを実際に構築してみましょう。

本稿のシナリオ

 本稿では、JSLEEとJAIN SIPを用い、TV電話アプリケーションを作成してみます。使用するソフトウェアは、フリーウェアや製品評価版ですので、誰でも手軽に試していただくことが可能です。なお、この環境を構築するには、SIP Communicatorを動作させるマシンが2台以上必要になります。

 JSLEEとJAIN SIPを使うために、今回はOpen Cloud社のRhino SDK(JSLEE Server)およびNIST SIP Communicatorを用います。前編と後編に分けて、次の2つの環境を構築します。

前編 SIP Communicatorを用いたP2Pコミュニケーションアプリケーションの構築
JAIN SIPとJMF(Java Media Framework)を用いて構築されたSIP Communicatorを用い、音声、映像通信を行います
後編 SLEE Server、SIP Communicatorを用いたコンテキストアウェアマルチメディアコミュニケーションアプリケーションの構築
前編で構築した環境に、SIPレジストリサーバ、SIPプロキシサーバを配置し、そこでユーザーの位置情報や状態を管理します

 今回の前編で、SIPアプリケーションの構築を試み、SIPの役割を理解します。次回の後編で、JSLEEサーバを加えたアプリケーションに拡張することで、どのような価値が生み出せるかを明確にします。

1/2

 INDEX

Javaで音声チャットアプリを作ろう(前編)
Page1
SIPを身近なものにするJAIN SIP
JSLEE製品の試行も始まる
本稿のシナリオ
Page2
最もシンプルなSIPアプリケーションの構築
JAIN SIPクライアントの構築
SIPアプリケーションの実行



Javaで音声チャットアプリを作ろう バックナンバー
第1回 シンプルなSIPアプリケーションの構築