徒然なるままにその日暮らし~猪捕獲から肉になるまで(グロ注意)~ | 村上芳の徒然なるままにその日暮らし

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僕はいくつになってもその日暮らしの甲斐性なしでやんす。

おはよう。

こんにちは。

こんばんは。

 

村上芳です。

かおるちゃんです。

ね?

 

 

狩猟が解禁され猪が罠にかかったので、それを捕獲して肉にするまでご同行させていただきました。

 

題名にもある通りグロ注意です。

って言っても当たり前の事なのでグロ注意って書くのもあんまり好きじゃありませんが

 

ちょっと血とか内臓とか出てくるので苦手な人は遠慮してください。

 

 

さて、けたたましいチャイム連打で朝起きまして

友達の母親が「猪が罠にかかったから迎えに来てくれるって!」っと僕を起こしてくれました。

 

僕の住むところは電波が入らないので、猟をされる方が友達に連絡して、友達が母親に連絡して、母親が起こしてくれました。

不便ですんませんww

 

 

罠を仕掛けたポイントに行くと今年の春産まれたであろう猪が罠にかかっていました。

ニュースで熊の事も言ってますが、猪も増えてるみたいです。

僕が縁側でタバコ吸ってると目の前に来るくらいには増えてますからねww

 

ワイヤーが脚にひっかかる罠で、竹やぶの中で大分暴れた様子でした。

大分奥まった所で動けないくらいには大移動してました。

 

刃渡り14センチほどの刃物を棒の先に付けて殺します。

 

本当は生け捕りにして、解体場とかで殺すんですけど、竹やぶの中で引っ張り出すのが困難な為この場で殺します。

 

大分奥まっているので身体をやぶに突っ込んで刺します。

1メートルくらいの棒の先にナイフがついてます。

 

首の少しした心臓をめがけて一突きにします。

ただ身体の向きが心臓側ではなかったので、心臓に向かって刺します。

 

鮮血が傷口と口から溢れてきます。

30秒ほどで動きが止まります。

 

なるべく心臓が動いている時に血を流させます。

その方が血が流れてくれて、血抜きもよくなるし、結果臭みが減ります。

 

死んだのを十分に確認してから絡まったワイヤーをほどき、やぶから引っ張り出しました。

こんな風に写真を撮って、しっぽを役所にもっていくと報酬金みたいなお金が貰えます。

 

移動し解体場所へ。

師匠、砂川さんがDIYされた使い勝手のよい精錬された解体場所。

ここで鹿なども解体します。

大きい奴は吊ったりします。

猪は背中がぎゅーんなってるんで、こんなくぼみのある場所がフィットするんです。

ここでいよいよ解体していきます。

まずは下腹部から開き皮を剥いでいきます。

綺麗なピンク色のお肉が見えてきます。

まだ新鮮で温かく湯気が立っています。

マダニ。だっけか。

が、います。

ダニってめっちゃ小さいイメージあったけど、こんな普通の虫くらいにデカくなるんですね。

西の方では噛まれて変な感染症になったとかの報告があるので、気を付けましょう。

 

お腹の皮が全体的に剥がれたら次は内臓を取り出します。

死んだその瞬間から内臓が発酵を始めているので、すぐに取り出さないと匂いが肉に移ってしまいます。

ここまで殺してから30分もかかっていません。

 

下から切り開き内臓を取り出します。

向かって左にバケツが用意してありそこにボトボトと繋がっている肉を切り離しながら内臓を落していきます。

 

綺麗に内臓がなくなりました。

もうこうなると完全にお肉です。

食欲も俄然沸いてきます。

あとは残りの皮を剥いだり

四肢を取ったりして精肉に近付けて?ゆきます。

全てを綺麗に取り除いたら、水につけ血抜きします。

もう死んじゃうと血は勝手に流れてくれないので、水に溶かしつつ血抜きします。

1時間くらいです。

 

これが精肉されなかった部分。

内臓や皮になります。

大体体重の半分がお肉になります。

今回は5キロほどのお肉が取れました。

 

あとは部位ごとに切り分けていきます。

 

めちゃくちゃ綺麗なあばら。

筋肉も皮をはぐと立派に美しかったです。

野性味あふれる躍動感のある筋肉をしていました。

ここで意外に便利なのがペットシート。

見た目や印象はあれですが、めちゃくちゃ機能的というか実を伴っているといいますか

血と水けを吸ってくれるのでとてもいいです。

こうして切り分けて下さった肉が、僕のお腹へ入っていきます。

 

牛や豚もそうですね。

この様に生きていたものが解体され、僕たちの食欲を満たしてくれています。

 

 

自分の中で興味深かったのが、いざ罠にかかっているのを目の前にすると「可哀想」とか「僕だったら殺せるだろうか」とか色々な考えが頭を巡り身体が緊張していたのにも関わらず

 

殺してから各工程を踏むごとに食欲。「美味しそう」の気持ちが同居し始め、そのウエイトがどんどん大きくなるところです。

 

 

命を自分の手で消し、それを自分の命として吸収し、繋がっていく。

本来植物でもそうですが、やはり哺乳類となるとその気持ちはより

いや俄然大きく鮮明に感じました。

 

もっともっと食べ物に感謝を。

 

 

 

「殺す覚悟もないのに、他人が殺したものを食べてもいいのか」

ふと浮かんだ疑問の答えを知りたくて今回猟に参加させていただきました。

 

また機会があれば是非参加させていただきたいと思います。

 

捕獲の仕方から、殺し方、解体の仕方。

とても奥が深く考えさせられました。

 

食育ってまさにこれなんじゃん?

って気持ちです。

 

可哀想って気持ち。

可愛いって気持ち。

美味しいって気持ち。

 

そのどれもが正解というか

胸の内にあるべき感情なんじゃないかなとかなんとか

 

1回しか見た事ないくせに、そんな事を思いました。

 

 

面白かったとは何だか言いづらいですが

とても興味深く、いい経験になりました。