日曜に老いらくの恋というお芝居を見ました。
いきなり日本の食料自給率からはじまる(笑)その姿は自分が農家カフェSIESTAで若者たちに話してることそのもので
あの姿は自分の30年後だな…
普通にそう思った(笑)
この老いらくの恋は、日本の農業の現場のリアルをかなり的確に表現していると私は感じられました。
途中、若者たちが農業を飲みながら語るシーンもあるあるし、そこで話される農業の厳しさ、明るさ
それを見てる時に実は涙がたまりました…
あーこーいうのあるよな、って…
あんまり書くとネタバレになるのですが、兎に角、ものをつくっても、生活はなかなか厳しいってことです
藤代さん
そう、うちにイメージメイキングで来てくれた私の隣の女性と小田原かなごてファームの若者
が演じる新規就農の人が農業をやるきっかけがコロナで付き合っていた彼に騙されていてみたいな所も、こういうのってあるよな…
と思ったし、
農業を労働と思ってはいけない
というのは、これは、哲学です。
なるほど、僕も、確かに農業は労働です…労働だけど、労働を労働と思う生き方が嫌だと思って、僕は郵便局を辞めて今の仕事をしてる…
何者にも縛られず、独立独歩、言いたいことをいい、やりたいことをやる…そんな生き方をしたいからリスクがある…
だけど、僕は、
自由だ…
この自由の素晴らしさ、生き生きさ、そーいうものをものすごく的確に描いているように感じられます。
また、途中で小農か?攻めの農業か?という、これもよくある農業の現場の現実を描いてましたが、
資本主義下の農業は、いいものをつくって、価値を高く売る…そうしないと生きていけない…
しかし、、それは、時に自然界の循環を脅かしてしまう…
自然に生かされ、自然とともに、その恩恵を頂くという所に思考が集中すると、葛西さん演じる主人公のようになるわけです…
どちらが正しいか?はわからない…
今回のこのお芝居で私が嬉しかったのは、これからの農業の未来の1つとして僕が命がけで取り組みを推進してる
ソーラーシェアリング
というものをスマート農業の1つとして明確に位置づけ、その希望を説いてくれたことです。
単にソーラーシェアリングが出たのではなくて、これからの農業の未来の可能性として、スマート農業という単語をだして
そこへソーラーシェアリングを位置づけた…これはとてもいいですよね。
ここには、演出家や脚本家に青年劇場の皆さんが、私の本をわたし、取り入れてくれるように頼んでくれたようです…
ソーラーシェアリングの懸念点もちゃんと脚本に書いていて、それを不安がる主人公の孫に藤代さんが演じる新規就農の人が
夢はそんな簡単に諦めちゃダメ
っていうシーンは、これ、ホントに自分が毎日毎日農業や自然エネルギーをやりながら自分の心に問い続けてるもの…なんです…
このお芝居は農業や食という非常にリアルで厳しい問題を、しかし深刻になりすぎず、コミカルに描き、
同時に、しっかりと、今の現状だけを語るのではなく、ソーラーシェアリングを1つの希望と捉えて
具体的な希望や萌芽みたいなのを描いていることに意義を感じています。
そして、もう1つ思ったのは、お母さんこと藤木さん、葛西さん、吉村さんなどベテラン俳優さんと、青年劇場の若手俳優さんのバランスがよかったこと…
ベテラン俳優さんたちの演技はやはり安定の演技で素晴らしいわけです(笑)
お宮の松なんて、笑いこけてしまう(笑)
だけど、そこに新しい息吹と言うか、次の時代を自分たちがしっかりと担って行かなきゃいけないんだ
みたいな若手の皆さんの気持ちが劇から伝わってきました。
今回、僕が、この劇を小田原かなごてファームの若手を引き連れて観に行ったのは、僕にはいますごく関心のあるテーマがあって、
自分がやって来たことをどうやって次の世代に継承してもらうか?
ということ…なんですね…
葛西さんや藤木さん、吉村さんの演技を見ていて
自らも語り、演じることを通じてしっかりと背中で見てていく…そして、自分達の思いを次の世代に伝えていく…
若者たちもそこをしっかりと受け止めていこうとしてる
あー、こーいうのが美しい世の中なんだな、美しい世はこうして出来るんだ、なんて強く思いました。
今回は老壮青のバランスがすごくいい(笑)
劇というのは、俳優さんの人生と、脚本で語られる人の人生が重なるわけですよね…
俳優さんは色んな人の人生を演じることが出来るともいえます。
原作の人の思い、脚本家や演出家の思い、そして、演じる人の思い、そんなものがホントに1つになって迫ってくるから面白いんだな…
そんなことを思いました…