連休のあいだに大台ヶ原というところに行ってきました。

 大台ヶ原山は三重県と奈良県の境にあって1695mの日出ヶ岳を最高峰にする日本百名山の一つです。アクセスは奈良県側は大台ヶ原まで立派な道路が通じていて、近鉄の大和八木駅、橿原神宮前駅経由の直通バスがあることから、山の登頂実績を得たいだけなら楽勝なところです。他方、三重県側からは大杉谷という7つの滝と11の吊り橋がある峡谷約20キロの難路を経て日出ヶ岳〜大台ヶ原に通じています。今回は、あえて三重県側から2日かけて縦走してみました。

 東京駅を6時発の新幹線で名古屋へ。名古屋で在来線の特急で伊勢方面に南下します。

 名古屋からは「南紀」という気動車の特急が走っています。 

 

三瀬谷という無人駅で降りて近傍の道の駅から登山口まで運んでくれる登山バスに乗りました。

 

 三瀬谷駅と乗ってきた列車です。

 

予報では行程中ずっと雨。せっかくの遠征なのにもったいない気がしますが仕方ありません。

 

 登山バスの乗り場がある道の駅奥伊勢おおだい。

 

 登山バスは10人くらいの人がいました。みんな同じような行程、途中の山小屋からゴールまでほぼ道連れです。後ろに座った若い3人がずっとおしゃべりしていてうるさく、耳栓替わりにイヤホンをして何とか寝ようとしますが、眠れません。バスは途中の登山センターのようなところで止まり注意事項説明と登山届の提出があり、小さな川沿いにくねくねと山道を登りながら登山口につきました。

 登山道のはじまるところ。大杉谷登山歩道。

 

 小雨ではありますが、そのあとも雨が止む見込みはないので最初から雨具やカバー、スパッツをしっかり装備して出発します。若い3人は道が不安なのか、自分の後についてきました。

 道は峡谷沿いにくりぬいたような岩道を鎖をつかみながら歩きます。地面はただでさえ滑りやすい岩ゴロゴロの状態なうえに折からの雨でつるつるしています。滑落や捻挫の心配があり一歩も気を抜けません。傾斜はそれほどきつくないのですが、一歩一歩踏む場所を確かめながら進む感じでなかなか前に進む実感がありません。

 左は狭い谷です。葉の下にはツルツルの岩が。

 

そのうち雨も強くなってきました。岩陰を歩くので雨はそこそこ避けられるのですが、それでも身体はびしょ濡れです。ここまでくると楽しいとかいうより我慢辛抱という感情の方が勝ります。

谷側に道が傾いているところもあり、ここはすこし怖く感じました。

 

 

渓谷は水質がよく、水底まで透けて見えるようです。

 

 

滝と吊り橋をいくつか超えて、3時間半ほどあるいて今日の宿、桃ノ木山の家につきました。

 

 

山小屋の中。200人収容可能ですがお客はバスの10人にくわえても20人行かないくらいでガラガラでした。

 

 
この小屋にはちゃんとしたお風呂があり、石鹸シャンプーは使えないけれども濡れて冷えたからだにはありがたい限り。
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風呂上りに脛をみたら血が。荷物整理していたらこんなヒルが3匹もいました。ここはヒルのよく出るところだそうで、行かれる方はヒル除け(虫よけスプレーでも可)を持っていくといいと思います。
 
そして山小屋のごはん。夜は定番のカレー。朝も定番の朝定食。
 
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夜はすることもないので7時ごろには寝てしまいました。が、近くの川の音が結構うるさくて、途中で耳栓をして寝ました。
 
翌日。
山小屋から山頂バス停までは約10km。バスは1日1本16時発なので行程的には余裕です。
朝ごはんゆっくり食べて、それでも流れで6時半ごろにはスタート。
 
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今日も朝から雨。しばらく行くとこんな河原のような崩壊した岩のごろごろしたところを歩きました。
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日本の滝100選にも入っている七つ釜滝、だそうです。ここではしばらく休憩しました。
天気のよい日に来たかった。。
 
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こんな感じの道が続きます。(白く映っているのは後続の登山者)
やがて、渓谷からわかれて日出ヶ岳にむかう山の道へ。普通の山道に戻った気がしてほっとします。
中腹で林道につきあたり、避難小屋でコーヒーを飲みました。だいぶ疲れもたまってきました。
 
シャクナゲ(だと思う)がすこしだけ咲いていました。
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それなりの山道を登り、11時半ごろ日出ヶ岳山頂。予想通りガスで眺望はゼロです。
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地図だとここから20分で大台ヶ原バス乗り場に着くのですが、迷いながらも、約3キロ先にある大蛇嵓というところを周回することに決めました。途中、若者2人に道を聞きながら最大速度(当社比)で向かいます。
日出ヶ岳から大台ヶ原はなかば観光地ぽくて、登山道も大変よく整備されています。そのため、それまでの難路にくらべてペースも早く、1時間もかからずに大蛇嵓までいくことができました。
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大蛇嵓。そこそこ眺望はありますが、なぜかこの辺だけ強風なうえ、岩が濡れてつるつるのため、ここから先はやめておきました。まあ来たということでよしとします。
 
大蛇嵓をすぎると、一度大きく下がってシオカラ谷というところの吊り橋を渡り、そこから30分ほど登りかえして大台ヶ原につきました。2時ごろ到着だったので時間的には余裕でした。
 
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大台ヶ原。帰りのバスも待機してくれてます。
 
避難小屋のようなところで濡れた服を全て着替え、ついでに荷物整理を兼ねてカップヌードルも食べました。
なんかここまで運んできて荷物になっただけではもったいない気がしました。
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そのあと、近くの食堂で時間をつぶし、バスに乗って橿原、京都と経由して午後10時に東京に着きました。
 
思い返すと印象深いところでした。
 
ではでは。