博士課程入試に出撃。
ポカポカしたいいお天気だったので、講堂前の広場で体操&深呼吸してからいざ入室。

修士の授業で使っている教室なので アウェー感はなく、 

それでも机に貼ってある受験番号シールなど見ると緊張感が出てきます。

受験生はざっと15人ほど、半分は女性、、あと自分くらいの歳のおじさんもちらほら。。

 

さて、試験は英語+選択語学の2科目、それぞれ1時間。

この試験、原書の1ページ分をひたすら日本文に翻訳するわけですが、、
 
受験の注意事項、、、
変なルールがあって、
鉛筆不可で使えるのは万年筆かボールペンのみ。修正液不可。
え、なんで?と思いましたが、息子に聞いてみると法学部の試験はみんなそうらしい。
 
それだと答案用紙がぐちゃぐちゃになって、受験生も採点者も大変だろうに、と思うのですが、
これがここのお作法のようです。昔の中国の科挙みたいです。多分古いしきたりを(文字通り)墨守してるんでしょうね。
 
なので、わざわざ東急ハンズにいって小さい文字(文字を小さくすることで、回答行の余白を大きくして、挿入や訂正を入れやすくするため)でも割とくっきり文字がにじまない極細の水性ボールペンをいくつか試して0.38mmのものを2本購入してのぞみました。
 
どうせならTOEFLみたいにPCでの試験とか導入したらどうかとは思いますが。。
 
それと、辞書は1冊まで持ち込み可、ただし電子辞書は持ち込み不可。
今時普通の辞書使ってる人がどのくらいいるのかわかりませんが、こちらは不正防止上わからないでもありません。
でも おかげで自分は大昔に使っていた英和辞書を本棚の奥からゴソゴソ引っ張り出し、
捨ててしまった中国語辞典に至っては急遽アマゾンで中古を買う羽目に。。買っても これからアナログ辞書なんか二度と使わないような気がします。
 
というお作法なので、、いちおう、真っ白な便箋で、「小さい文字で」、「アナログ辞書を見ながら」翻訳する練習も何度かしておきました。
 
さてさて、本番。
試験用紙が配られて、数分間の沈黙と緊張、、、9時になって試験開始。
過去問5年分を2~3回まわして感触はつかみ、作業手順も予め決めていたのですが、
いざ始めてみると、いつもの悪い癖で、緊張で舞い上がってしまい、問題文読んでも上滑りして内容が頭に入ってこない。
内容がなんだかわからないまま とりあえず文の区切りに’/’をいれて最後まで通してみる。やばい、何書いてあるかさっぱりわからん。
スラッシュを入れた文ごとに訳の作業にとりかかる。数か所 やっているうちに過去問で解いていた時の感覚が徐々によみがえり、
ようやく頭のギアがかみ合い始める。。
しばらくして、時間が足りなそうなことに気づき、どうしてもわからない重要そうな単語は都度辞書で引くけれど、その他のわからない単語はわざと飛ばすか適当に訳して後に回す作戦に切り替える。
内容の大意は頭に入ってきたので 文脈の中で頃合いの言い表現を探してそれらしい文章っぽく仕上げる。。
とやっているうちに、時間は見る見る過ぎて あと4~5行、と見ると残り10分。何とか終わりそうだな、と思いながらもゴール前最後の悪戦苦闘して全文訳し終えると 「残りあと5分」 のコール。
ボールペンでぐちゃぐちゃに塗った書き損じや挿入線を上からきれいに引き直し、書き乱した文字をもう一度きれいに書いて、
最後に大急ぎで全部通して 文としておかしなところがないか(実はおかしなところばかりなのですが)点検。語尾のおわりだけ
なんとなく文として読めるようにお茶を濁してたら「試験終了です。ペンを置いてください。」の声。
何とか制限時間ギリギリに完走した感じです。
 
10分の休みでトイレに行く。
15人ほどいた受験生の殆どは1科目受験(専門分野によって科目数が違う)だったらしく、2科目受けるのは自分も含めて2人だけ。
だだっぴろい22番教室に試験監督3人、受験生2人の贅沢な配置。。。
 
中国語の試験も英語の感触とほぼ同じ。ただし、中国語は過去問もそうだったのですが、分量がだだ多く、1.5ページはゆうにあるので
書き写すだけでも1時間かかりそうなのに、これを訳すのはいつも時間が足りません。
試験本番もやはり最後時間が足りなくなり、最後の段落などはほとんど殴り書き状態で修正もできない状況に。。
それでも何とか最後まで書ききり、試験終了。。これはちょっと、な残念な出来でした。
 
とりあえず ここまでやり終えた放心感こもごも教室を退場。
夕方の面接まではしばらく時間があるので 気分転換の散歩を兼ねて
久しぶりに農学部にあるアブルボアへ昼食に。
ものすごく辺鄙な場所にあるので一般の人にはわかりにくいところにあります。
 

 

自分的には 東大キャンパスの中で一番モダンオサレな場所だと思います。
 
中はこんな感じです。
頼んだのは9種盛りランチ 900円。 宮崎の有機農園で作られたヤサイや鶏肉のメニューで
玄米もチョイスできます。 ここでまったりして。。
 
おなかも満足したところで、戻ろうか、と歩き出したところで 手袋を落としたことに気づく。
入試日にモノを落とすとはいかにも縁起が悪い、、、ということで 歩いたルートを引き返し、食堂で聞いても届いてない。
モヤモヤしながら再び、試験会場から歩いてきたルートを引き返すと、、最後、安田講堂のベンチにちょこんと置いてありました。
講堂前で体操したときに落としたようです。 見つかってよかった。
落とした運を取り戻した ということで これは逆に縁起がいいかも、、とテンションが少しあがります。
 
面接まではなお時間があったので そのまま図書館にいって口述試験の準備。
聞かれるだろうことを メモに書いて確認します。
そのうち小腹がすいてきたので、生協で頭脳パンの縁起のよさそうなのを買って待機。
(こんなパンでも440カロリーもするのにはびっくりしましたが、背に腹は代えられません)
 

合格祈願のパンを食べたところで 面接会場へ。

もう夕方でお日様もすでに傾きつつある時刻。。

 
 
会場はこれも普段ゼミで使っている教室。その分気楽ではあります。
誰もいない控室でしばし待たされ 所定の時間を15分ほどすぎたところで招集。
 
面接官は3人。 修士論文口述の時と同じく、 刑事ドラマのように厳しく突っ込む役の人と「カツ丼食うか」の役の人。
突っ込み役の若い先生に また手厳しく詰められ 修士の時の悪夢と同じく、最後はたじたじに。
なんとか これまでの経験と場数を生かして相手の心象を悪くしないように注意しながらも、、最後は頭がもうろうとしてきます。
30分ほどの面接で 玉汗いっぱいかいて やっとのことで解放されました。
 
終わった後は、開放感、というより、前と同じモヤモヤ感。
どうも自分は打たれ弱いのか、傷つけられるのが怖いのか、こういうのが苦手なようです。
 
この頃、自分はどうも人に傷つけられるのを極端に怖がる臆病な性格で、
いろいろなことに手をだしたり、小さい成功体験を重ねることでそれを避けようとしているのかな などと感じるようになりました。
そんなわけで、試験官にいじめられると、別にその人が自分に恨みや憎しみをもって対峙しているわけではないとわかってはいても 結構ひきずるのかな、などと思います。
 
くよくよしててもしょうがないので いつものジムで筋トレ+30分ラン+30分バイク。
運動で汗かいたら いくぶんすっきりしました。
やっぱり こちらの方が自分には向いてるかもしれません(苦笑)
 
体重計に乗ったら 久しぶりの66kg台に。。1日で1キロやせられました。試験のほうが走るよりダイエットにはいいのかな。。
 
という 大一番の一日でした。
 
ではでは。