二足の草鞋 -60ページ目

孤独な道標 【第九章】~計略④~

【第九章】
≪計略④≫

「帰りたければ、帰っていいぞ」と言うとすぐにこの家から立ち去ったみるくの後を追う事はしなかった。
それは、どうせすぐに雑魚にバレ、別れたみるくが俺に跪きにくると確信していたからだ。

近況を聞く為に、週明けみるくにメールをしたが、強気の態度に変化はなかった。

俺と別れたい等と言うからには、それ相応の報いを受ける覚悟のようだ。

今度こそ、ありとあらゆる道具を使い、俺の棒を入れ、気が失っても止めず、再び奴隷になると忠誠を誓うまで可愛がってやる。
その日の夜、田舎者を自宅に呼び、再びみるくと会う機会を作るよう命令する。

どこか不審げな田舎者に対し「なんだ、そのくそ生意気な顔は!」と怒鳴ってやったら、表情を強張らせ「なに?どうしたの?」と今にも泣きそうな顔をした。
「いいから、俺の言う通りにしろ!」

この田舎者を見ているとイラついてくる。しかし、もう少し我慢しなくてはならない。コイツにはまだみるくの住所を聞き出さなくてはいけないからな。

田舎者がみるくと会う日に本人から直接メールが来るとは思わなかった。

みるくも素直になったものだと感心しながら返信をした。

待ち合わせ場所へ到着すると田舎者がこちらを睨んでいた。

「なんだ?どうした?」

「どうしたって・・・みるくと今日会うって連絡取ったの?」

「取ったのって、Y子がみるくに俺が行くって話したんだろ?」

「何で私がそんなこといわなきゃいけないのよ。今日はみるく来ないわよ。私、今日は帰る。じゃぁね」

一瞬、何が起こったのかわからなかったが、冷静になって考えてみると俺がみるくの鎌に引っ掛かったようだ。

いつものみるくなら、こんなことをするワケがない。きっと裏で何か助言をしている人間がいるはずだ。

まさか・・・雑魚の仕業か?

もし雑魚の仕業とすれば、かなり手強い相手だな。

雑魚とみるくの二人はきっと今頃高笑いをしているに違いない。

くそ・・・許せん。

俺は宣戦布告とばかりに、みるくにメールをした。

「覚えておけ。俺は、みるくにもう一度・・・ご主人様と呼んでもらえるまで諦めない。」

もう一度、この手に戻してやる。

次の日、俺は会社を休みみるくが働いている会社へ向かった。今日一日、みるくの尾行をすると決めていた。
気付かれないように変装したが、身長だけは誤魔化せない。

前かがみをして身長を低く見せながら、みるくが出てくるのを待った。

しばらくするとみるくが会社から出てきた。後ろを気付かれないよう注意しながら後をつけると歌舞伎町へと向かっていく。

そこはホテル街だった。

なぜ、こんなところにくるんだ?わけがわからなかった。

そしてみるくは、あるビルへと吸い込まれるようにして入っていった。