孤独な道標 【第十五章】~起訴~
【第十五章】
≪起訴≫
検察官は俺を起訴することにしたようだ。これで、刑事裁判が始まることになる。起訴が終わり、保釈されると思っていたが、身柄拘束は続いていた。保釈金を親が払うこともなく、誰かが保釈金を払ってくれるでもない。
弁護士が久しぶりに面会に来た。
「お住いになられていた寮については、家宅捜査が終了した後、早急に引越の手続きをさせて頂き、押収された品以外の荷物は、現在、ご実家に全て置いてあります。」
「そうですか。」
「それと保釈についてですが、お姉さんが保釈金を用立てているようです。もうしばらくすれば、保釈されるでしょう。」
「姉さんが、保釈金を?」
「えぇ。そうです。」
きっと、姉さんは旦那に全てを打ち明け、保釈金を用立ててくれるのだろう。S気の強い姉さんが、M男の旦那に頭を下げるなんて意外だった。きっと屈辱感に満ちているだろう。
あんなM男に頭を下げさせてしまい、姉さんに申し訳なかった。
しかし、もう少し我慢すればここから出れる。早くここから出して欲しかった。
ラストフレンズの宗佑は、美知留を騙して部屋に誘い込み、レ○プし妊娠させたが、俺は妊娠させることに失敗している。宗佑は自分の遺伝子を残せたから、きっと本望だったのだろう。
じゃぁ、俺はどうなんだ?
妊娠させることに失敗した俺は、これからどうしたらいいのだろうか。みるくのお腹には雑魚の子供が宿っている。
雑魚にこれ以上のないダメージを与え、俺が満足する方法はもう1つしかない。
あの世でみるくと一緒に二人だけの世界を作ることだった。
9月4日に逮捕された俺は、10月1日にやっと保釈された。
実家に戻った時の俺の所持金は0円。銀行の預金は押収されたままだった。いつ戻ってくるかさえわからない。バイクももちろん押収されている。
これでは、徒歩でみるくの住む街にいくしかないが、あいにく実家とみるくの住んでいる場所はかなり遠い。走って行ってもすぐに警察につかまるのがオチだ。
お金がないと電車にも乗れやしない。
公安は俺が逃亡する恐れがあると判断しているのだろうか。移動手段が全て断たれている。
計画は無残にも何もせずに終結してしまう羽目になった。
あと、俺に残っているのは・・・・。
PCにみるく宛ての文書を打つ俺がいた。