二足の草鞋 -21ページ目

孤独な道標 【第十三章】~メス豚②~

【第十三章】
≪メス豚②≫

「昨日のこと、はやく謝ってくれる?じゃないと大変なことになるかもよ。」

何言ってるんだコイツは?まったくワケがわからなかった。

「何で大変なことになるんだよ。昨日、この職場に来たばかりなのに。」

「謝る気はなさそうね。じゃぁいいわ、後悔しないでね。ストーカーさん。」

俺が異動になった理由を知ってる会社関係者はごくわずかな筈なのに、何故このメス豚は事情を知っているのかわからなかった。

同僚に総務のメス豚のことを聞くと、どうやら専務の娘で、この会社に入ったのはコネだというもっぱらの噂だった。

仕事が出来ない上に、コネで会社に入り、偉そうな態度で周囲を見下す。周囲からの評判の声は最悪のメス豚だった。

まぁ、もう言ってしまったのは仕方がない。それに異動して来たばかりなのに、また異動などありえないだろう。
それから数週間、仕事で問題が起こることはなかった。メス豚も大人しい。問題があるのは、眠れないことだった。

公安からの命令で、精神科への通院を余儀なくされていたのが幸いだった。睡眠薬を常備することが出来るので服用し、布団に入るが寝付きは悪かった。
携帯でブログを書き、みるくに今の現状を知らせることにした。みるくへ唯一俺を知って貰うのは、もうこのブログだけだ。

タイトル:俺の心の扉

『俺の心は病んでいます。今日、精神科に行きました。
 現実と理想のバランスが非常に悪いらしく被害妄想だと言われた
 そんな訳ないんだよ
 このヤブ医者め!

 元彼女はこんな俺を抱きしめて癒やしてくれた
 でもいまは癒やしてくれるのは眠りだけ
 でもその眠りさえも俺を癒やしてくれない

 バカヤロー
 俺、もう生きていたくない。でも母親を残して死ねない。
 元彼女とやり直せなくてもいい、ただ、友達として話が出来れば…
 どんなに楽でどんなに癒されるだろうか。
 ああ、どうかこの惨めな俺を助けてください
 みるく
 助けて』

ブログに記事を書いても誰からも反応がなかった。