11月1日 ~ スペインの名花 ロス・アンヘレス 生まれる | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

今日から11月です。 今年もあと2か月になってしまいました。 

 

今月も可能な限りやりたいです。「今日はなんの日」のコーナーです。

ただ、今月は大物の話題が多いみたいであせる 途中で挫折するかもしれません・・・オバケ

 

参考にしたのは、近藤憲一氏著「1日1曲365日のクラシック」という本で、それをお題に書いています。(写真はwikipediaなどwebからお借りしました)

 

このコーナーを始めて約半年が経ちましたが、近藤先生の嗜好がだいぶわかってきました。

「生誕日」より「命日」、「フランス出身の人」、「オペラ歌手」、「ワーグナーに関すること」 がお好きみたいですね~にやり 

でもって、昨日に引き続き、今日もオペラ歌手の方の話題です。

 

今日、11月1日は・・・スペインのソプラノ歌手 「ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスの誕生日」ですバースデーケーキ クラッカー

 

Victoria de los Ángeles: 1923.11.1-2005.1.15; スペイン出身のソプラノ歌手

(画像はwikipediaより)

 

この方、私は名前すら存じ上げませんでした。

ただ、ちょうど昨日書いたフランコ・コレッリと生きている時代がほぼ一致していますね~。

彼女は、”スペインの至宝””スペインの名花”と呼ばれた20世紀最高のソプラノ歌手の一人でした。

 

 

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスは、1923年11月1日にスペインのバルセロナで生まれました。

幼少期から声楽とギターを習い始め、バルセロナのリセウ高等音楽院で声楽とピアノを学びました。音楽院に在学中の1941年(18歳)に「ラ・ボエーム」のミミ役を歌い、1944年(21歳)(1945年とも)にリセウ歌劇場で「フィガロの結婚」の伯爵夫人役で正式にオペラ・デビュー。

 

1947年(24歳)にジュネーヴ国際音楽コンクール声楽部門で優勝し、にわかに脚光を浴びるようになり、翌1948年(25歳)にはイギリスのBBC放送でファリャの「はかなき人生」の主役を歌って、名声を不動のものとしました。同年エンリケ・マグリナと結婚。 1949年(26歳)にはパリ・オペラ座デビュー(グノーの「ファウスト」のマルグリート役)、1950年(27歳)にはザルツブルク音楽祭とコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウス、ミラノ・スカラ座にデビュー、ニューヨークのカーネギーホールでリサイタルを開いてアメリカデビューもし、国際的にも大活躍する日々が始まりました。 

 

1951年5月(27歳)にはメトロポリタン歌劇場にデビュー(「ファウスト」のマルグリート役)、1961年(38歳)まではほとんど毎年のように出演し、この時期の活躍の中心は同歌劇場でした。

1957年(34歳)にウィーン国立歌劇場にデビュー。

1961年と翌62年(38-39歳)にはバイロイト音楽祭にも登場、サヴァリッシュの指揮で「タンホイザー」に出演しましたが、この頃から次第に活動の中心はオペラの舞台からリサイタル活動の方へ向いていきます。

この時代のリサイタル活動で最も有名な録音のひとつに、1964年(41歳)のときのロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホールでのライブ録音「イン・コンサート」(ジェラルド・ムーアと共演)があります(今は廃盤?)。

 

1992年(69歳)のバルセロナオリンピックの閉会式では、カタルーニャ民謡の「鳥の歌」を歌いました。

 

70歳を過ぎてもリサイタル活動を続けていたそうですが、1998年(75歳)に長男が35歳の若さで亡くなった後に引退(次男も昨年52歳で亡くなっているようです)、2005年1月15日に81歳で亡くなりました。

 

 

バルセロナのムンジュイック(モンジュイック)墓地にあるロス・アンヘレス家のお墓

(画像はhttps://www.findagrave.com/よりお借りしました)

 

 

 

彼女のオペラ歌手としてのレパートリーの広さは驚異的で、母国のスペインはもとより、フランス、イタリア、ドイツ・オペラのあらゆるキャラクターを完璧に演じ分けたといいます。

またルネサンスから現代にいたるスペイン歌曲を世界に広めた功績もあります。さらにフランスやドイツ歌曲の第一人者でもありました。

「限りない優しさの泉を持つ誠実な大歌手」と評されました。

 

彼女は何度も来日していて、1986年(62歳時)の東京でのリサイタルはリリースもされているようです。下差し

 

「ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス/東京ライブ 1986」

(カメラータ CMCD18009)(1986年4月東京ライブ)

 

 

それではきょうの今日の曲です。カントループ (1879-1957)の「オーヴェルニュの歌」より「バイレロ」です。

作曲者カントループが、故郷のオーヴェルニュ地方(フランス中南部)の民謡を採譜し美しい管弦楽伴奏を付けた歌曲集です。 一番有名な「バイレロ」は、川をはさんでうたい交わす男女の牧歌です。歌詞に出てくるバイレロは方言で、意味が定かではない掛け声のようなものらしいです。

 

カントループ:《オーヴェルニュの歌》より 「バイレロ」   (4分55秒)

/ ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)、ジャン=ピエール・ジャキャ&ラムルー管 (1969年)

 

実際に彼女が歌う姿も。

 

ロドリーゴ:「お母さん、ポプラの村へ行ってきた」  (1分59秒)

/ ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス (ソプラノ)  (1965年東京)

 

最後にもうひとつ。彼女がバルセロナオリンピックの閉会式で歌ったという「鳥の歌」。

 

カタルーニャ民謡/ ロスマルバ編曲:「鳥の歌」  (3分5秒)

/ ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス (ソプラノ)

 

実際の閉会式では、彼女が歌いながら聖火が静かに消えていったそうです。